JRA 50億円コロナ対策拠出 宝塚記念当日の売り上げから

2020年6月23日 05:30

 JRAの関東定例会見が22日、東京・六本木の本部で行われた。新型コロナウイルス感染症対策への支援として、宝塚記念当日の売り上げから50億円を拠出すると発表した。過去に阪神大震災で59億円、東日本大震災では54億円を拠出している。2月29日から無観客で開催を継続した経緯について、後藤正幸理事長は「競馬産業全体の問題として、開催が一度でも途切れると、競走体系や血の継承など深刻な状況を生じる恐れがあり、回復するには長期の年月を要する」と説明した。21日時点での売り上げは対前年比96・3%と大幅減なく健闘。この間、電話・インターネット投票は約41万4000人増と大幅な伸びを見せている。

 観客を入れた通常開催の再開日の発表はなかった。プロ野球やJリーグの動向、地域ごとの社会状況も考慮。吉田正義担当理事は「政府が定めた7月10日のイベント開催制限の段階的緩和(ステップ3)を参考にしながら、夏に向けてお客さまを迎えられるように検討したい」と話した。競馬場ではネットによる指定席の事前予約。ウインズは発売レース制限や営業時間制限も検討されていることを明かした。来年の競馬番組は今年同様、東京五輪と暑熱対策を念頭に作成されることも発表された。

 ≪医療機関にも寄付≫JRAが現在取り組んでいる新型コロナウイルス感染症に関わる他の支援は、(1)競馬場、トレセン、ウインズなどが所在する自治体(44自治体を予定)に5億円寄付(2)競馬場、トレセン近隣の医療機関(29医療機関を予定)に医療備品など3億円分寄贈(3)日高・宮崎育成牧場近隣の医療機関(8医療機関を予定)に医療備品など1000万円分寄贈(4)競馬場、トレセン近隣の医療機関、行政機関などにマスク約6万枚寄贈、となっている。

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