【菊花賞】波乱の風穴!?ブラックホール しっかり追われて3馬身先着
2020年10月22日 05:30 【G1ドキュメント・美浦=21日】半端な仕上げの馬には打倒コントレイルは託せない。田井は菊花賞組の最終追いを見逃すまいとスタンド記者席の最前列に陣取って双眼鏡を構えた。視線が自然と吸い込まれたのは猛烈リハを敢行したブラックホールだ。
「みっちり、びっしりとやった」。相沢師が引き揚げてきた愛馬を満足そうに見つめる。追い切りは石川(レースは藤岡佑)を背にWコースでバレリオ(5歳オープン)との併せ馬。5馬身追走でスタートも4角で一気に外から並びかけ、直線でしっかり追われて3馬身先着した。5F65秒1~1F12秒5。1週前はリープフラウミルヒ(5歳オープン)と併せており、2週続けて年長のオープン馬と叩き合った。「強い調教をしたいので走る馬を相手に選んだ。仕上がりはいい」と好調をアピールする。
指揮官、新コンビの藤岡佑、担当の三尾助手がそろって口にするのは「走るスイッチが入ってくれれば」。父は“愛すべき暴れん坊”ゴールドシップ。ブラックホールも他馬を気にしたり、鞍上のアクションに反抗する面があるといい、気の悪さを見せ、全能力を発揮できない歯がゆいレースが続いている。「腹をくくって後方で脚をためて直線勝負に徹したい。強い馬がいるので挑戦者として思い切った競馬をする。佑介くんにうまく導いてほしい」と相沢師。「ちゃんと走れば」の条件付きだが、最終追いまで攻め抜いた姿勢に、大激走の予感。大外から2冠馬をものみ込むシーンは夢物語か、それとも…。