【ジャパンC】杉山晴師、人とのそして馬との巡り合わせに感謝

2020年11月26日 05:30

杉山晴調教師(撮影・亀井 直樹)

 これまで人に恵まれていて誰か一人でも欠けていたら、ここにいなかったと思います。今、調教師の斉藤(崇史)君は日本獣医畜産大学(現日本獣医生命科学大学)の馬術部で大学生の時に夏休み、冬休みは必ず、小松(温泉牧場)にアルバイトに来ていました。地元も藤沢市辻堂で一緒、自転車で5分ぐらいの近所なんです。彼がトレセンに入ってきて、また仲良くなりました。彼は最初から調教師になるとイメージしていて、そこに引っ張られるように自分も調教師試験を受け始めたんです。

 試験は5回、受けました。1回目は僕なりに勉強していたつもりでしたけど、ほとんど白紙に。これでは駄目だと思いましたね。角居先生(調教師)が勉強会をやっておられたので「参加したいんですけど」とお願いして、1次試験は2回目で受かりました。

 当初、厩舎の開業は2年待ち(18年予定)と言われていましたが、勇退された日吉先生の厩舎を引き継ぐ形で、16年10月に急きょ開業することに。想定外中の想定外でしたね。でも厩舎はまとまりがあって、トップが代わるだけの状態。“せっかく調教師になったんだから好きにやったらいいんじゃないか”というムードで、気を使わずやらせてもらえました。ありがたかったですね。

 目野厩舎からケイティブレイブを引き継がせてもらい、交流重賞(18年ダイオライト記念)ですけど、初めて重賞を勝たせてもらいました。秋のJBCクラシックは京都開催の珍しい年に勝つことができました。JRAの競馬場で開催されたので中央のG1勝ちとしてカウントもされますし、あれはうれしかったですね。開業した時は正直、今のような状況は想像できなかったです。順調に来られているし、巡り合わせでしょうね。デアリングタクトなんて神様からの授かり物レベルじゃないですか。関係者にありがとうと感謝しかないです。

特集

2020年11月26日のニュース