【ジャパンC】デアリングタクト精密!秋華賞前と完全一致の4F54秒7~1F12秒7
2020年11月26日 05:30 デアリングタクトは松山弘平(30)を背に馬なりのまま4F54秒7で好調をアピール。ともに打倒アーモンドアイに向け、万全の態勢を整えた。
いざ行こう。新しい扉を開ける準備はできた。デアリングタクトは松山を背にコントレイルの2分前、午前7時1分に坂路を駆け上がった。馬任せにスイスイ。フォーム、脚さばきが乱れることは全くない。4F54秒7~1F12秒7でフィニッシュ。この時計、秋華賞の最終追いでマークした全体時計&ラスト1Fとピタリと一致している。吉兆なのか。まるで機械仕掛けのように、精密ラップを刻んでみせた。松山がストレートに手応えを伝える。
「1週前に負荷をかけて、しっかりと動いていました。今週は長距離輸送もあるので、馬のリズム重視。いいフォームで、いい追い切りができました。乗っている感覚としては“良くなっているな”と思います」
中5週は桜花賞からオークスと同じ間隔。秋華賞を勝った後は放牧に出し、4日に栗東へ帰厩。春で得た経験も糧に、調整ステップを踏んできた。杉山晴師から自信がにじむ。
「春先の調整を踏襲する形です。ジョッキーにはオークス、秋華賞前と同じように乗っていいよ、と。1週前に負荷をかけているし4F54秒か55秒でいいと伝えました。最初(の2F)を15秒、14秒で入って、しまいも馬なり。思った通り順調に来ています」
今年は史上最強のメンバーと大いに盛り上がり、デアリングタクトも主役の一角を担う。そんなフィーバーをよそに、トレーナーはチャレンジャーの立場と位置づける。
「これまでは3冠牝馬のカテゴリーの中で強い競馬をしてきました。今回は無敗の3冠牡馬や年長のチャンピオンホースがいます。他の出走馬も含めて、ジャパンカップという格に挑むつもりです」
桜花賞はデビュー3走目、2歳戦が行われるようになった1946年以降で最少タイのキャリアで勝った。オークスは63年ぶり2頭目の無敗牝馬2冠となった。秋華賞は史上初の無敗で牝馬3冠を決めた。誇れる勝利を一つ一つ、積み上げてきた。2020年、デアリング・イヤーの集大成。並み居るスーパーホースを倒し、新たなステージへと踏み出す。
【デアリングタクトの前走後】
10・18 秋華賞を制し、史上初となる無敗での牝馬3冠を達成
10・21 宇治田原優駿ステーブル(京都府)に放牧
10・28 ジャパンCに出走することを発表
11・4 栗東トレセンに帰厩
11・18 松山騎乗で1週前追い切り(CWコース6F81秒3=強め)
※秋華賞→ジャパンC 過去10年【2・1・0・2】