【中山金杯】ヒシイグアスで復権だ!3冠松山がヒシ軍団15年ぶり重賞V導く

2021年1月4日 05:30

坂路で調整するヒシイグアス(撮影・郡司 修)

 21年中央競馬の幕開けを告げる東西金杯(5日)の出走馬が3日、確定した。「第70回中山金杯」のヒシイグアス(牡5=堀)は同日朝、美浦坂路で軽めの最終調整。3冠ジョッキー、松山弘平(30)とのコンビで重賞初制覇を狙う。

 本格化した素質馬が、再び重賞の舞台に帰ってきた。前走・ウェルカムSを制してオープン入りを果たしたヒシイグアスの最終調整は坂路で4F57秒7~1F13秒4。レース2日前ということもあり軽めの内容だったが、リズミカルなフットワークは状態の良さをうかがわせた。

 昨年末の12月30日にWコースで5F65秒1~1F12秒7を馬なりでマークしており、調整に問題はない。堀師は「直前は微調整。30日の追い切りは息の入り、心肺機能、体のこなしとも良くなっていました。在厩続戦で体つきは変わっていませんが、緩さはあっても、前走時よりいい印象を持っています。カイバ食いも良くて健康状態も良好です」と好感触を示した。

 デビュー3戦2勝でクラシック候補にも挙げられた馬。スプリングS5着→ラジオNIKKEI賞9着と3歳時は結果を残せなかったが、そこは晩成型が多いハーツクライ産駒。昨年1月に6カ月半ぶりに復帰すると2→2→1→1着でオープンに返り咲いた。

 デビューから8戦はムーア、ルメール、ミナリク、M・デムーロ、レーンと外国人騎手が騎乗してきたが、前走で初めて日本人騎手の松山が騎乗した。昨年、無敗牝馬3冠を成し遂げたデアリングタクトとのコンビで全国区になった関西所属の13年目。この活躍が堀師のお眼鏡にかなったのか、昨年から松山が関東に遠征してきた際の騎乗依頼が増えた。“指名”にVで応えた松山は「追ってからが力強かった。間隔は空いていましたが、強い競馬をしてくれました」と称えた。

 「ヒシ」といえば、オールドファンにはなじみ深い冠名。アマゾンやミラクルなど活躍馬を輩出。現在は先代の故阿部雅一郎氏の長男・雅英氏名義で出走している。ヒシ軍団の重賞制覇は06年エルムSのヒシアトラスが最後。「54キロのハンデでスムーズな競馬ができれば、好勝負になるのではないか、と思っています」と師も期待を寄せる一戦。21年、さらなる飛躍が期待される松山がヒシ軍団15年ぶりの重賞制覇へ導く。

特集

2021年1月4日のニュース