【有馬記念1週前追い】ジェラルディーナ母娘制覇だ! 14年ジェンティルドンナに続く

2022年12月16日 05:25

CWコースで追い切るジェラルディーナ(撮影・亀井 直樹)

 暮れの大一番「第67回有馬記念」がもう目の前に迫った。1週前追い切りでとびきりの気配を伝えたのはエリザベス女王杯を制した勢いで牡馬に挑戦状を叩きつけたジェラルディーナ。恐るべき成長力。強豪牡馬にも臆さない陣営は「母娘制覇」をしっかり見据えている。復権を誓うタイトルホルダー、昨年の2着馬ディープボンドも豪快な動きを披露した。

 似ている。有馬記念で最大の惑星と目されるジェラルディーナだ。威風堂々と歩く姿は20年に4歳で有馬記念を制した厩舎の先輩牝馬クロノジェネシスをほうふつさせる。成長曲線も酷似する。クロノも新馬戦から34キロ増の474キロで有馬を制した。ジェラルディーナも428キロだった阪神JFから実に42キロ増えた470キロで初G1タイトルを手にした。そこからベクトルはさらに上を向く。

 有馬記念に向けた1週前は団野(レースはC・デムーロ)が手綱を取り、CWコース単走。終始馬なりで6F84秒1~1F11秒7。派手なアクションはなかったが、流れるような柔らかい走り。目を引く好馬体。気持ちがしっかり前に向いているのが分かる。斉藤崇師は余裕の表情。牝馬の仕上げは心得たもの。

 「いつも通りですね。時計は考えずにやりました。来週やれば気持ちも入ってくると思います」

 前々走のオールカマーVで中山は攻略した。相手強化に加え、距離がさらに300メートル延びるが、今の指揮官は確信しか口にしない。

 「距離は大丈夫だと思うし、大丈夫だと思うから使うんです。中山のトリッキーなコースでも問題ない。折り合いがついて上手な競馬ができる。タフな馬場でも大丈夫です」

 精神的な成長を感じさせた秋の2戦で指揮官はやれる手応えをつかんだ。ジェンティルドンナ(14年V)との「母娘制覇」の夢はもうカウントダウンの段階に入っている。

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