シロニイ誘導馬デビューへ奮闘中

2023年10月25日 12:45

阪神競馬場でトレーニングをするシロニイ(撮影・平嶋 理子)

 日々トレセンや競馬場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由に書く東西リレーコラム「書く書くしかじか」。今週はYouTubeスポニチチャンネルと連動、大阪本社の小林篤尚(46)が担当する。競走生活を終え、阪神競馬場で誘導馬としての再出発へ向けてトレーニングに励むシロニイにスポットを当てる。

 澄んだ秋晴れの青空に白い馬体が映えた。シロニイは5月の緑風Sでラストラン、競走生活を終えた。白毛に右目が青い魚目(さめ)と特長があり、ファンの多いホワイトホース。引退後は阪神競馬場の乗馬センターで誘導馬デビューを目指してトレーニングに励む。担当するのは阪神競馬場業務課乗馬普及係の米谷宏介さん。合わせて行った動画撮影にも快く協力いただいた。やはり奇麗な馬体に見ほれてしまう。「ルックスがいいですよね。目も左右で色が違ったり、そのあたりがお客さまに良く見ていただいている部分だと思います」。秋の阪神開催中でもファンは馬房の様子を見ることができた。汚れていてはいけない。手入れには気を使っているという。

 この日は厩舎を出発、普段ファンが観戦するスペースを通り場内のキッズガーデンへ。公園は平日に無料開放される期間があり、親子の姿が見えた。小さな子供はシロニイを見つけるなり「お馬さんだー!」と声を上げ、近くに駆け寄ってきた。これもトレーニングの一環。「お子さまの声を聞いたり、遊具で遊んでいる音を聞いたりして反応しないように慣らすために行っています」と説明した。

 その後はパドックでスクーリング、本馬場へ向かった。誘導馬としてのルーティンを覚え込む作業。誘導馬は一度その場所へ来ると、他の競馬場への移籍はほぼないという。阪神は第二の仕事場。馬場はメンテナンス期間中、歩を進めたのは馬場の入り口まで。馬場入りが可能になる数週間前から、より実戦的なトレーニングが加わる。「愛着も湧いてきますし、着々とステップアップできればと思います」。来月はJRA競馬博物館の特別展「白毛図鑑(純白のサラブレッド)」の放牧展示のため東京競馬場へ。その後は阪神に戻り、早ければ12月開催でのデビューを予定している。

 ◇小林 篤尚(こばやし・あつひさ)1977年(昭52)3月31日生まれ、大阪府枚方市出身の46歳。04年からボートレース担当。16年に中央競馬へ。21年3月から西日本エリアの本紙予想を務める。

 ○…東京競馬場内にあるJRA競馬博物館では11月4日から来年2月18日まで特別展「白毛図鑑(純白のサラブレッド)」が行われる。この開催に合わせ、シロニイが乗馬センター展示パドックに登場。期間は11月4~26日の東京競馬開催日で展示時間は午前10時~11時30分、午後2時~3時30分の2回。その後は阪神に戻り、再びトレーニングに向かう。

 ○…YouTubeスポニチチャンネルでは阪神競馬場でトレーニングするシロニイに密着。パドックでのスクーリングや場内の公園で子供と触れあう様子、洗い場や馬房などの表情を追いました。担当する米谷宏介さんのインタビューをまじえ、配信しています。

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