【有馬記念】武「豊サンタクロースを目指しましょうか!」相棒ドウデュースに期待

2023年12月19日 05:30

有馬通算4勝目を目指す武豊

 クリスマスイブ決戦に奮い立つ。23年中央競馬の総決算「第68回有馬記念」(24日、中山)まで、あと5日。過去にイブ有馬2勝、通算4度目Vが懸かる武豊(54)は昨年のダービー馬ドウデュースとのコンビで臨む。本紙の取材に人馬での復活を遂げたい思いを明かした名手。グランプリの歴史に残る劇的なドラマとなるか――。

 クリスマスイブの有馬記念に吉兆データとしてクローズアップされる男がいる。誰あろう、武豊だ。01年以降、12月24日に有馬記念が行われたのは2度しかなく、武豊がコンビを組んだディープインパクト(06年)とキタサンブラック(17年)が勝っている。

 今年は6年ぶりのイブ決戦。二度あることは三度ある――。

 「イブに2勝しているのは知っていますよ。オグリキャップは岡部幸雄さんで勝った時(88年)が25日、僕が乗った時(90年)は23日でしたね。ジョッキーが特に意識することはないけど、競馬場内の木が電飾でツリーのようになるのはクリスマスらしい景色ですよね」

 過去の記憶と感想を口にした後、第一人者たるリップサービスがこのひと言だった。

 「せっかくなので豊サンタクロースを目指しましょうか!」

 相棒はドウデュースだ。今春は京都記念の勝利で弾みをつけ、勇躍ドバイに乗り込んだが、ドバイターフ前日に左前肢ハ行で無念の出走取り消し。そこから立て直し、秋の古馬王道路線とされる天皇賞・秋、ジャパンC、有馬記念に皆勤となる。武豊の負傷(10月29日に馬に蹴られ右太腿の筋挫傷)により代打・戸崎を背に挑んだここ2走は王者イクイノックスに全く歯が立たず7、4着。昨年、日本ダービーで一度は倒したイクイノックスが今年の世界ランク1位(先月発表時点)だから視点を変えれば誇らしい実績だが、同時に今年は歯車が狂ったのも事実。

 「3戦目で状態が上がる馬がいれば(消耗して)下がる場合もある。そこは馬によって違う。ただ、ドウデュースは使って良くなるタイプ。G1を勝った朝日杯FSと日本ダービーが3戦目だった。今回はさらに良くなるはず」

 13日に栗東CWコースの1週前追いに騎乗し、状態の良さを確認している。再び輝きを放つには国民的行事といえる、この舞台がふさわしい。「同じクリスマスイブといってもディープインパクトとキタサンブラックは引退レースで周りも感傷的な空気だった。ドウデュースは来年も現役。その点では違うけど、有馬記念で人馬が復活したい気持ちはあります」。16日の競馬で48日ぶりに復帰した自身の姿を重ね、苦しんだ末に待っているのが歓喜のゴール?それがかなえばファンにとって、そして自身にとっても最高のクリスマスプレゼントとなる。

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