【有馬記念】仙波広雄の血統ノート② ミスプロ系は「3つの勝てない理由」克服すれば...

2023年12月19日 18:05

 24年目のリベンジなるか――。今年のリーディングサイアー1位、2位を占める「父ミスタープロスペクター系」は00年の初出走以来、有馬記念で未勝利。いったいなぜか。過去の出走を振り返り、種牡馬勢力図が一変したエポックメーキングな年に「初V」があるかを検証しよう。

 有馬記念における父ミスプロ系の歴史を振り返ってみよう。同系の産駒で最初に有馬記念に登場したのが00年のアメリカンボス(父キングマンボ)で6着。同馬はダート1800メートルで未勝利勝ち、芝1200メートルの準オープンで3着と万能性を示しつつ99、00年エプソムC連覇の実績。とはいえ00年秋競馬はさっぱりの戦績で、有馬記念も単勝万馬券のブービー15番人気。先行して勝ち馬テイエムオペラオーから0秒6差の6着だった。翌01年はアメリカジョッキークラブカップと中山記念を連勝。その後また6戦連続の着外で有馬記念は13頭立てのシンガリ13番人気。この結果をご存じの方も多いだろう。先行策を打ってしぶとく運び、マンハッタンカフェにはかわされたものの、逃げたトゥザヴィクトリーを捉えて2着。馬連4万8650円は3連単どころか馬単もない当時では想定外の大穴だった。

 この後、10年代以降の日本のミスプロ系は、キングカメハメハの登場によって枝葉が広がっていく。有馬でみたび穴をあけたトゥザグローリーとトゥザワールドの兄弟。ルーラーシップ、ラブリーデイといったキングカメハメハ直子が勝てないまでも奮闘。他にキングマンボ系の持ち込みキングズベスト産駒エイシンフラッシュが10~12年に出走して7、2、4着。 18年はレイデオロが、19年はアーモンドアイが1番人気で出走したが、前者はブラストワンピースを捉え切れず、後者は生涯で唯一馬券圏内を外すことになる9着。このあたりから、ミスプロ系が勝てないことが毎年、有馬記念の血統トピックとして取り上げられるようになった。

 それはともかく、勝てない理由だ。レイデオロとアーモンドアイ、ここにエイシンフラッシュを入れてもいいが、この3頭はいずれもベストパフォーマンスが東京競馬場。個々で見れば中山適性で及ばなかったとみたい。他に人気で勝てなかった馬に12年ルーラーシップ(2番人気3着)。この馬は出遅れが…。あと15年ラブリーデイ、18年キセキ(いずれも2番人気5着)もいるが、この2頭は競馬場を問わない万能性と継戦能力の高さゆえ、秋4走目の有馬出走だった。連戦の疲れでパフォーマンスを落としていたことは否定しづらい。 つまり、これまでの敗因を全てつぶせる存在が望ましい。中山競馬場への適性が一定以上あり、余力があって、出遅れなどの極端な癖がない父ミスプロ系の人気馬がいれば、チャンスはあるはずだ。(仙波広雄)

○...ミスタープロスペクター 1970年1月28日、米国ケンタッキー生まれ。父レイズアネイティブ、母ゴールドディガー(母の父ナシュア) 現役時代は14戦7勝、重賞未勝利。75年クレイボーンファームで種牡馬入り。活躍馬を多数出したほか、「種牡馬の父」としても後継が多くいる大種牡馬。世を去る29歳のその年まで種付けをこなしたタフガイ。

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