【独占手記】カッチー 目標は「新しいタイプの調教師像をつくる」

2023年12月29日 05:20

武豊(右)から贈られる田中勝(撮影・村上 大輔)

 絶対泣かないと思っていたのに、泣いてしまいましたね。セレモニー中は大丈夫でしたが、ファンの皆さんへあいさつするためにパドックを1周した時にグッときました。それが終わって善臣さんを見たら、もう我慢できませんでした。

 前の晩にスピーチを考えていたら、眠れなくなってしまいました。まあ、変な時間に寝て中途半端な時間に起きたのが原因ですけど(笑い)。今の心境は「終わったな」ですね。いや「ホッとした」が本音かも。引退式を盛大にやってもらえて、本当に感謝です。

 試験に合格してから「いつ調教師に転身しようと思った?」という質問を何度も受けました。正直、「いつだったかな?」という感じ。後輩の四位が受かった頃の気もしますけど、そもそも人生設計を考えるような人間ではなく、行き当たりばったりですから!

 真面目な話をすれば、騎手より長く競馬にかかわれるのが調教師という仕事。70歳定年とゴールが決まっているだけに、やるなら早い方がいい。そう考えて受験を始めました。勉強は大変でしたが、一緒に調教師を目指す人たちとの勉強会が大きかったですね。感謝の気持ちでいっぱいです。

 今は騎手を引退する寂しさよりも、これからが大変…と気持ちはもう先に向かっています。調教師としての目標は、まずファンに楽しんでもらえる馬をつくること。そして尊敬する野平祐二先生のように競馬界の発展にも貢献したいです。

 ここまで真面目な話をしましたけど、立場が変わってもキャラは変わらないですよ(笑い)。ということで、目標は「新しいタイプの調教師像をつくる」にしましょう。もしかしたら、調教師としてスポニチにコラムを書くかも?これまで応援ありがとうございました。厩舎を開業する日を楽しみにしていてください! (JRA騎手)

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