【日本ダービー】ダノンデサイルの横山典弘「大事にしていれば応えてくれる」馬への信念貫き史上最年長V

2024年5月26日 17:27

<日本ダービー>ダノンデサイルでダービーを制した横山典弘はフライングディスマウントを決める(撮影・河野 光希)

 競馬の祭典「日本ダービー」は9番人気ダノンデサイル(牡3=安田)が制してG1初制覇を飾り、21年に生産されたサラブレッド7906頭(持込馬、輸入された外国産馬含む)の頂点に立った。

 56歳の横山典弘はダービー3勝目。武豊を上回るJRA・G1史上最年長勝利を挙げた。スローペースを先行し、直線はインから抜け出す完璧なレース。円熟の手綱さばきに加え、馬を優先する信念が大一番での激走を呼んだ。

 4月14日のクラシック1冠目の皐月賞。ゲート前までいきながら、鞍上は発走直前に異変を察知(右前肢ハ行)した。自ら進言して競走除外に。ゲートインしなければ勝利はない。難しい決断だったが、信念を貫いた。

 「ダービーを勝ったこともうれしいけど、皐月賞の自分の決断が間違っていなかったんだなと。厩舎スタッフとそこから立ち上げて。ああいうことがあっても、馬はちゃんと大事にしていれば応えてくれる。馬に感謝です」

 1週前追い切りでは「僕の中ではあまりいい状態と感じなかった」と明かしたが、「返し馬にいった時に自信を持って乗れた」と上昇を感じ取っていた。

 パートナーを信じてライバルをねじ伏せた。「気持ちは大人っぽいけど、まだまだ体がついてこないところがある。夏休みに入って秋、もっともっとパワーアップしていいパフォーマンスできる状態で帰ってくると思う。楽しみ」とした56歳は、「今日は応援ありがとうございました。また、頑張ります」と照れたように笑った。

 ▼日本ダービー 正式名称は「東京優駿」。1780年に創設された「英国ダービー」を範とし、1932年に第1回が行われた3歳馬の頂点を決するレース。皐月賞、菊花賞とともに「牡馬3冠」を形成する。50年から「日本ダービー」の副称が付いた。セン馬は出走できない。

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