【中京記念】エルトンバローズ完全復活!坂路ラスト伸びた11秒8、毎日王冠以来のタイトルへ

2024年7月18日 05:30

西村淳也を背に坂路で追い切るエルトンバローズ(撮影・亀井直樹)

 小倉最終週のメイン「第72回中京記念」(サマーマイルシリーズ第2戦)の追い切りが17日、行われた。安田記念8着から巻き返しを図るエルトンバローズは西村淳を背に坂路でしまいキビキビと動いた。地力は断然の存在。昨秋の毎日王冠以来3度目重賞Vへ向け、態勢を整えた。

 燃えたぎる闘志を抑え、我慢の最終リハ。エルトンバローズは西村淳を背に開門直後の坂路を駆け上がった。ゆったりした入りから手綱を持ったまま馬なりで奇麗な加速ラップを刻んでいく。ゴール前でグンとギアを上げ、スピード感十分。4F55秒3~1F11秒8をマークした。杉山晴師は「いつも通りの感じでしまいをサッと伸ばした。時計はちょうど良く、動きも良かった」と納得の表情だ。

 今年3走は7、8、8着と振るわないが敗因はハッキリしている。続けて不得意なやや重の馬場だった。馬場状態に加え、3走前の中山記念は寒い時季で体が絞り切れず、前々走のチャンピオンズマイルは香港初遠征。前走の安田記念は輸入検疫を経て、着地検査のため東京競馬場に入厩して1頭で調整した。馬は基本的に集団で行動をする生き物。環境の変化になじめず、カイ食いが落ちた。何とか間に合った状態での競馬。度外視していい。「前走後はチャンピオンヒルズ(滋賀県大津市)で疲れを取ってから(2日)入厩して、しっかり調整している。元々がおとなしくてメリハリのあるタイプだったが、さらにドッシリしてきました」と海外遠征を経て、精神面が強くなった。

 ちょうど1年前のラジオNIKKEI賞で重賞初制覇を飾った。暑い時季は得意で、同じコーナー4つの小倉にも対応は可能だろう。指揮官は「競馬に行って乗りやすいので展開に応じて、ジョッキーの思い通りに動いていける」と自在性の高さを強調した。
 昨秋の毎日王冠でG1を3勝した名牝ソングラインや21年NHKマイルC覇者シュネルマイスターを破り、続くマイルCSでは中団から差して4着と健闘。今まで戦ってきた相手が違う。「馬場に恵まれない競馬が続いたけど、週末は天気も持ちそう。最後に勝ったのが毎日王冠。(重賞)タイトルをという気持ちが強い」。前走より調整過程は断然いい。実績馬がトップハンデ59キロをハネのけ、完全復活をアピールする。

 《頼れる相思相愛コンビ》エルトンバローズに騎乗する西村淳は今年の厩舎別騎乗数を見ると杉山晴厩舎がトップで32鞍。高野厩舎の20鞍を大きく離す。相思相愛の雰囲気だ。22年以降のコンビ成績を見ても勝率21%、連対率33%。複勝率は40%と頼れる数字を残す。5走目からずっと手綱を取っており、過去4勝は全て西村淳で挙げている。手の内に入っている相棒を復活へエスコートする。

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