【小倉記念】紅一点“英国淑女”イングランドアイズが牡馬ナデ斬り! 松若「勝ててうれしい」
2025年7月21日 05:30 夏コクを締めくくるサマー2000シリーズ第3戦「第61回小倉記念」が20日、小倉競馬場で行われ、9番人気イングランドアイズが差し切って重賞初制覇を飾った。牝馬の勝利は22年マリアエレーナ以来16回目。初コンビで勝利にエスコートした松若風馬(29)は22年ラジオNIKKEI賞以来、約3年ぶりの重賞制覇を飾った。現2歳世代最初のJRA重賞「第57回函館2歳S」はレイチェル・キング(34=英国)騎乗の9番人気エイシンディードが逃げ切りV。鞍上は今年のフェブラリーS以来、JRA重賞5勝目となった。
短い夏の小倉を締めくくったのは、紅一点のイングランドアイズだった。メンバー最軽量の51キロ。直線は450キロの馬体を躍動させ、馬群の間から力強く伸びて抜け出した。初コンビで重賞初制覇に導いた松若は「素直に凄くうれしい気持ちでいっぱいです。直線に向いて反応も良く、これなら差し切れると思った」と勝利をかみしめた。
最内1番枠からスッと好位をキープ。僚馬グラティアスが後続を離して逃げる展開の中、内でじっと我慢した。「内が残っていた傾向を考え、理想のいいポジションで競馬ができた」と振り返る。直線は外からシェイクユアハートが先に抜け出したが、グイッともうひと伸びして差し切った。
鞍上にとっては初めての重賞制覇がデビュー2年目だった15年の当レース(アズマシャトル)。「初重賞も小倉記念だったので、思い入れのある競馬場で勝ててうれしい。ここ最近は結果を残せていなかったけど、これを機にいい結果を残せるように頑張っていきたい」と意気込みを語った。
6月の垂水S(3勝クラス)で7着に敗れたが、陣営は格上挑戦での重賞に迷いはなかった。安田師は「小倉は直線まで慌てずに回って来られるし、相性がいい。ハンデも軽くて夏場は体調もいい。勝算はあった」と狙い澄ました参戦だった。23年オークス(16着)以来の重賞でタイトル奪取。「最初はひっくり返ったり、うるさい馬だった。危険と乗り味の良さを兼ね備えていたが、ここに来て凄く行儀良くなってきた。レースに行っての余計な消耗が減ったのは大きい」と成長ぶりにも目を細めた。
母ヌーヴォレコルトは14年オークス馬。引退後は英国で繁殖入りし、欧州マイルG1・4勝キングマンとの間に生まれたのがイングランドアイズだった。母も所有した原禮子オーナーは「ヌーヴォと同じような走りをしてくれた。その子で勝ててうれしいです。成長もあると思うし、これからが楽しみ」と期待を寄せた。
今後は秋開催のチャレンジC(9月13日、阪神)を視野に入れる。安田師は「別定の真っ向勝負よりはハンデ戦の方がいい。夏の体調の良さを生かして選択肢に入れていきたい」と語った。夏コクを締めくくった良血が、秋競馬の始まりも盛り上げる。
◆イングランドアイズ 父キングマン 母ヌーヴォレコルト(母の父ハーツクライ)20年4月1日生まれ 牝5歳 栗東・安田厩舎所属 馬主・原禮子氏 生産者・英国のハラレイコレーシング社 戦績16戦4勝(重賞初勝利)総獲得賞金1億569万8000円 馬名の意味は英国の瞳。