【シンザン記念】サンダーストラックV差し! 独の名手ハマーハンセン鮮やか重賞初制覇
2026年1月13日 05:20 新春の京都でワールドクラスのすご腕を見せ付けた。3日間開催を締めくくる3歳マイル重賞「第60回シンザン記念」は12日、京都競馬場で争われ、トール・ハマーハンセン(26)騎乗の9番人気サンダーストラックが中団からズバッと差し切った。勝ち時計1分33秒4は14年覇者ミッキーアイルの記録を0秒4更新する京都開催でのレースレコード。年明けから短期免許で騎乗している鞍上はJRA重賞初制覇、木村哲也師(53)は20年から7年連続JRA重賞制覇となった。
ドイツの若き名手の手綱さばきがさえ渡った。ハマーハンセンが直線、サンダーストラックに左ステッキを入れて鼓舞するとグンと加速して先頭へ。外から強襲したサウンドムーブが迫ると今度は右ステッキで、もうひと踏ん張りを促す。首差振り切ってゴールに飛び込むと左拳を突き上げ、喜びを表現した。勝利インタビューでは「日本で初めて重賞を勝つことができて良かった。少し緊張しているように見えるかもしれないけど心の中ではとてもうれしい」とはにかんだ。
スタートでやや後手に回るも促して中団へ。道中は行きたがるのをなだめながら闘争心をコントロールする。4角を滑らかに回って直線に向くと、すぐさまロスの少ないインに誘導。馬群を割るように先行勢を捉えて先頭に立ち、末脚を爆発させた。「初めてブリンカーを着けたからか、少し行きたがるところを見せていたので、かからないようにリズムを大事に」と道中のポイントを挙げ「少しフラフラして幼さを見せたけど追い出してからは凄くいい反応を見せてくれました」と相棒を称えた。
世界で活躍する26歳は年明けに初めてJRA短期免許を取得した。24、25年と2年連続でドイツリーディングを獲得。昨夏は札幌のワールドオールスタージョッキーズで初出場V。ラストの第4戦を待たずに優勝を決める鮮烈なパフォーマンスで日本のファンを魅了した。来月27日までの免許期間の意気込みを問われて「日本の競馬は世界的にもトップクラス。一つでも多く勝てるように頑張りたい」と活躍を誓った。
人馬を出迎えた木村師は「騎手がうまく乗ってくれたおかげです」と感謝。馬自身は2度目の遠征で成長を示した。昨秋に中山マイルで新馬勝ちし、続く黄菊賞が5着。集中力を欠く面があることからブリンカーを装着し、距離も2F短縮でマイルに戻して再び京都へ。好騎乗に導かれ、最後まで気を抜かずに走り切って重賞Vを成し遂げた。
賞金加算という意味でも価値ある勝利。鞍上は「とても能力が高い馬。これからが楽しみ」と素質を絶賛した。今後はマイル路線に狙いを絞るのか、それとも再び距離を延ばしてクラシックを目指すのか。歩む道のりは春の大舞台につながっている。
◆サンダーストラック 父ロードカナロア 母シーブルック(母の父ヒンチンブルック)23年2月10日生まれ 牡3歳 美浦・木村厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績3戦2勝(重賞初勝利) 総獲得賞金5018万4000円 馬名の意味は驚くべき。稲妻のような鮮烈な走りを期待して命名。
◇トール・ハマーハンセン 1999年10月17日生まれ、ドイツのケルン出身の26歳。元騎手の父レナート・ハマーハンセンの影響もあり、16年のデビュー直後から国外に出てフランス(A・ファーブル厩舎)や英国(R・ハノン厩舎)で経験を積んだ。23年に母国ドイツに拠点を移した。24年はドイツダービー(パラディウム)、バイエルン大賞(アシステント)とG1・2勝を挙げ、年間74勝(432戦)でドイツリーディング獲得。86勝(410戦)を挙げた25年も同リーディングに輝いた。JRA通算30戦4勝。1メートル75、54キロ。

