【朝日杯FS】キングダム“言うことなし!”12秒0

2009年12月17日 06:00

<朝日杯FS追い切り> ナイスミーチュー(左)と併せるローズキングダム

 「第61回朝日杯フューチュリティS」の最終追い。栗東では東京スポーツ杯2歳Sの覇者ローズキングダムが、ポリトラックコースで鋭い反応で文句なしの仕上がり。“バラ一族”悲願のG1制覇へ大きな期待がかかる。
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 ローズキングダムの追い切りを終え、引き揚げてきた小牧の第一声は「言うことなし」だった。細かく説明するよりも、真っ先に頭に浮かんだ言葉を発するのが最適と判断したのだろう。しかも2度も同じ言葉を繰り返した。
 最終追い切りはポリトラックでの併せ馬。楽な手応えで3~4角あたりで僚馬ナイスミーチュー(2歳未勝利)に並びかける。直線で小牧の手が3、4度ほど動くとグングン加速。瞬時にパートナーを置き去りにし、1馬身半の先着。ラスト1F12秒0の抜群の末脚を披露した。
 この動きを見届けた橋口師は「あとは運があるかどうかだな」と“運”という言葉を使った。もちろん、ラッキーという意味での運ではなく、本命馬、人気馬がガッチリと勝利を引き寄せるためにも必要なもの。「オレが運を強調する時、その馬が勝ち負けになるレベルにある時だけ。そういうことだよ」。何の不利もなくスムーズにレースができれば結果が出せるという自信の表れだ。先週土曜に阪神で落馬、頭を打ってヒヤッとさせた小牧だが「特に何も影響はない。そういう意味でも運があるね」と話した。
 ローズキングダムの母ローズバドは、小牧が地方競馬に所属していた時、初めてJRA重賞(01年フィリーズレビュー)を勝った馬だ。JRAに移籍した後は橋口厩舎の有力馬に騎乗する機会が多かった。04年朝日杯ではペールギュントに騎乗。1番人気に支持されながら追い込み及ばず3着に敗れた。小牧は、この時の敗戦の責任を自分の騎乗ミスと背負い込んだ。「あの時の小牧と今の小牧では違うよ。オレ以上に今回は心中期するものがあるはずだ」と指揮官は頼りになる鞍上の腕に託した。5年前のリベンジへ。2歳王者の座は譲れない。

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2009年12月17日のニュース