【97年・朝日杯FS】グラスワンダーぶち抜いた34秒の壁

2009年12月17日 06:00

 【スピードメモリー~あの時、君は速かった=3】過去48回、どの馬も超えることができなかった1分34秒の壁。この壁を初めて破ったのがグラスワンダーだ。

 デビュー3戦、2着につけた着差の合計は、なんと14馬身。圧勝に圧勝を重ねて迎えた朝日杯3歳Sは単勝1・3倍の1番人気に支持された。道中は中団待機。3角過ぎから進出を始めて直線で一瞬にして先頭に立ち、2着マイネルラヴに2馬身半差をつけた。タイムは1分33秒6のレコード。早くも“国内無敵”と騒がれ、陣営からは翌年秋の米遠征プランが打ち出された。
 その後の骨折で米遠征は白紙になったが、98年有馬記念からグランプリ3連覇を達成。決して早熟馬ではないことを証明した。エルコンドルパサー、スペシャルウィーク、エアジハードなど、同期に数多くのG1馬がいる最強世代。その中で最初にスポットライトを浴びたのがこの馬だった。

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2009年12月17日のニュース