日でも豪でも打たれ強いモーリス産駒

2021年3月17日 05:30

 フィリーズレビューはモーリス産駒のシゲルピンクルビー、アネモネSはリオンディーズ産駒のアナザーリリックと、先週の桜花賞トライアル2鞍は、またしても初めてのクラシックシーズンを迎える新種牡馬の産駒が独占した。特に阪神ジュベナイルフィリーズで17着に大敗していた前者のV字復活には驚かされた。昭和の名門メジロ牝系の中興の祖となった復元力と打たれ強さこそ、種牡馬モーリスの神髄なのだろう。

 種牡馬モーリスはシャトル供用先のオーストラリアでも反転攻勢の予兆を見せている。フィリーズレビュー前日の13日、ローズヒル競馬場で行われたG3パゴパゴS(芝1200メートル)で南半球産第1世代マズが3着となり、産駒初のGレース入着を果たしたのである。デビュー戦快勝後の2戦目だったマズは、出遅れて中団追走の苦しい展開から直線馬群を割って脚を伸ばし、勝ち馬から短頭+首差に突っ込んだ。同馬は母のシャトレーンが豪G2シルヴァーシャドウS2着馬で、豪G1クールモアスタッドS勝ちのヘッドウェイの12歳違いの半弟という血統。シンザン記念のピクシーナイト、前記シゲルピンクルビーに続く“3頭目”はこの馬かもしれない。

 南半球暦2歳のモーリス産駒は14日現在、18頭出走で勝ち馬はマズを含む3頭。新種牡馬リーディング8位、2歳リーディングは33位にとどまっているが、思えば国産初世代も当初は勝ち上がりに手間取った。後半戦の追い上げが見ものだ。 (サラブレッド血統センター)

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