父ディープインパクトが断然の7頭 キングカメハメハ産駒は後継馬不在

2021年6月30日 05:30

 【新種牡馬紹介(1)】夏競馬恒例の「2歳新種牡馬紹介」。集中連載の第1回は今年のルーキーサイヤーを統計面から検証した。

 国内供用による血統登録産駒が今年、北半球暦で初めて2歳を迎えた種牡馬は28頭。各種牡馬の2歳産駒数の総計は1257頭で、昨年の1422頭、19年の1308頭に続いて直近10年で3番目の多さとなる。生産界の新種牡馬重用の流れは一過性のブームではなく、近い将来、10年単位で続くことになる種牡馬戦国時代の予兆だろう。

 父系別種牡馬数は実質サンデーサイレンス系といえるヘイルトゥリーズン系が全体の半分を占める14頭。残りをノーザンダンサー系7頭、ミスタープロスペクター系5頭、ナスルーラ系2頭でシェアした。父馬単位では7頭のディープインパクト後継が断然で、他に複数の後継がいる種牡馬はアメリカンペイトリオット、ザファクターの父ウォーフロントのみ。キングカメハメハ後継は不在で、世代交代が一段落した形だ。

 種牡馬別の産駒数は138頭のダート王コパノリッキーが最多で、輸入種牡馬ドレフォンが127頭で続く。他に重賞未出走ながら116頭の産駒を得たシルバーステートなど7頭の種牡馬が産駒数100頭の大台をクリアしている。ちなみに競走実績最上位のキタサンブラックは量より質の83頭。一昨年のキズナ、昨年のドゥラメンテのような総合商社型ではなく、今年は一芸に秀でたスペシャリストにも新種牡馬リーディングのチャンスがある。
(サラブレッド血統センター)

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