【大阪杯】芝二千“特化型”の直系コスモキュランダ

2025年4月2日 05:30

 G2時代の14~16年にキズナ、ラキシス、アンビシャスの3連覇でG1昇格の原動力となった種牡馬ディープインパクトは、19年アルアイン、21年レイパパレ、22年ポタジェでG1タイトルを回収した。今回もジャスティンパレス、ヨーホーレイクの2頭出し。さらに今年はキズナ産駒のシックスペンス、同じくアルアイン産駒コスモキュランダのエントリーがある。直近2年続けて馬券圏外に終わった“大阪杯VIP”血脈が世代間抗争含みの巻き返しに出た形だ。

 高松宮記念の結果を踏まえ、今週も血統面の切り口は父子2代にフォーカスする。コスモキュランダは昨年の皐月賞で“父系3代クラシック制覇”に肉薄した。父アルアインの最も再現性の高い資質を継承していると考えられるだろう。

 単勝2番人気の18年大阪杯で3着に敗れたアルアインは9番人気(単勝22・2倍)と株を下げた翌年に「母の父ディープインパクト」の菊花賞馬キセキ、同じ父の日本ダービー馬ワグネリアンと3頭横一線の激戦に競り勝った。皐月賞制覇も単勝9番人気(22・4倍)だったアルアインはディープインパクト産駒G1ウイナーきっての穴メーカーで、他にコントレイルしかいない芝2000メートルG12勝馬でもある。弥生賞ディープインパクト記念で単勝3490円の大穴を叩き出したコスモキュランダには芝2000メートルに特化した大駆け属性を伝えたわけだ。

 G1昇格元年、17年の優勝馬キタサンブラックは秋の天皇賞馬イクイノックス、今年も父子制覇に挑む皐月賞馬ソールオリエンス、ホープフルS勝ちのクロワデュノールを出した。18年覇者スワーヴリチャードも初年度産駒レガレイラがホープフルSに優勝している。G1大阪杯には芝2000メートルのG1サイヤー製造レースという側面がある。今年は種牡馬アルアインの順番かもしれない。 (サラブレッド血統センター)

特集

この記者のコラム

他の記者のコラム