【高松宮記念】キンシャサノキセキ産駒“最後の傑作”ペアポルックス
2025年3月26日 05:30
連覇に挑むアイルランド産のマッドクールを含め、直近10年で4頭の外国産馬が優勝している高松宮記念は現在、JRA芝G1の中で最も在外血統への依存度が高いレースといえる。その背景にあるのは、00年代に4頭の優勝馬を送り出した“最多勝サイヤー”サンデーサイレンス(SS)の代替わり。SS系種牡馬の産駒では、ダート王ゴールドアリュールの鬼っ子というべき22年ナランフレグが過去10年で唯一の勝ち馬。16年ミッキーアイル、20年グランアレグリアが2着に惜敗したディープインパクトには、JRA芝G1完全制覇への最後の難関となっているのである。
2年連続2着のナムラクレアは、15年の3着馬でもある前記ミッキーアイルの産駒。母の父ストームキャットと父系祖父ディープインパクトの好相性には定評があり、配合パターンは“G1ニックス”のアップデート版といえる。ある意味で血統に忠実なディープインパクト系の高松宮記念惜敗史に終止符を打つ可能性は十分だろう。
SS系への“逆張り”という意味で押さえておきたいのは「母の父ディープインパクト」のペアポルックス。10、11年にレース史上唯一の連覇を達成したキンシャサノキセキの産駒で、その父フジキセキを経由したSS3×3の強烈なインブリードが施されている。中央未勝利で移籍した園田で再生され、アイビスサマーダッシュを制した祖母イルバチオに“高松宮記念最多勝サイヤー”を二重にトッピングした形だ。
キンシャサノキセキ産駒の高松宮記念出走は、17年に15着に終わったシュウジ以来、8年ぶり2頭目。22年に種牡馬を引退したこの父にとって、ペアポルックスは最後の傑作候補となる。ビッグアーサー産駒のカンチェンジュンガ、トウシンマカオ、ビッグシーザー、ロードカナロア産駒のサトノレーヴ、ファインニードル産駒のエイシンフェンサーと、「父子2代」が懸かるライバルは多いが、ひそかに激走を期待している。 (サラブレッド血統センター)
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