凱旋門賞を制したトルカータータッソ納得の血統背景

2021年10月6日 05:30

 ディープインパクト無念の敗戦以降、10月第1週の定番となった凱旋門賞回顧。今年は5年前の覇者ファウンドのめいでもあるディープインパクト産駒スノーフォールが15年越しの雪辱を果たすというストーリーを組み立てていたのだが、残念ながらゴール前の接戦には加われず、前で攻めて力尽きたクロノジェネシスをわずかにかわした6着に終わった。結果的には英愛オークスの大パフォーマンス連発で燃え尽きていた印象。洋の東西を問わず、ピークの持続力はディープインパクト産駒の泣きどころということなのだろう。

 記念すべき第100回凱旋門賞を制したのはドイツの4歳牡馬トルカータータッソ。前走のバーデン大賞で2400メートルのG1・2勝目を挙げた昨年の独ダービー2着馬である。単勝13番人気は完全な盲点だったが、大駆けの要因はその血統背景にも求められる。

 同馬の3代母ターベインは、93年優勝馬にして09年優勝馬シーザスターズの母となった名牝アーバンシーの半妹。07年の独ダービー馬である父アドラーフルークは、ジャパンCに参戦したイトウ、イキートスの父としてもなじみのあるドイツの一流種牡馬で、この父の祖母アリアは前記したアーバンシー、ターベイン姉妹の母アレグレッタの全妹にあたる。つまりトルカータータッソは、母子2代の凱旋門賞馬を生み出した牝祖の血脈を父によって3×4と同等の血量で増幅されていたのである。勝たれて納得、というほかはない。 (サラブレッド血統センター)

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