4年ぶり「母の父ナリタブライアン復活劇」
2022年2月2日 05:30
1月30日の東京競馬でささやかな復活劇があった。ダート2100メートルの未勝利を勝ち上がったセブンスレターは父コパノリッキー、母ブライアンズレターという血統。平地競走では18年白富士Sのマイネルハニー以来、実に4年ぶりとなる「母の父ナリタブライアン」のJRA勝利である。
着差の合計15馬身半という圧倒的な強さで94年の3冠を制したナリタブライアンは98年9月、腸捻転のため7歳で早世。種牡馬として供用されたのはわずか2年。147頭の血統登録産駒から後継種牡馬は現れず、繁殖登録された58頭の牝馬がその血の継承を担った。母の父としてはチャレンジCに勝った前記マイネルハニー、札幌2歳Sのオールアズワン、豪G2ライトフィンガーズSのペリニョンと、3頭のGレース勝ち馬を出したが、現在、直子の現役繁殖牝馬は23歳の最終世代ソフィーズローズ(母スカーレットブーケ)のみとなっている。
セブンスレターの母ブライアンズレターは準オープン特別の御堂筋Sなど中央、地方通算12勝を挙げ、1億899万3000円を稼ぎ出したナリタブライアン産駒の唯一の1億円ホース。昨年限り14年の繁殖生活で血統登録産駒は5頭と、受胎率に難があったようだが、最後の最後でJRA勝ち馬を出して“稼ぎ頭”の面目を施した形だ。ちなみにこの母が産んだ唯一の牝馬ブリリアントレター(14年産、父スマートファルコン)は繁殖登録されている。隔世遺伝を期待したい。(サラブレッド血統センター)