フォーウィールドライブ ダートの大物期待

2024年8月28日 05:30

 【2歳新種牡馬紹介(10)】
 シリーズ最終回は意外性を秘めた第2勢力をサラダボウル的に網羅してみよう。

 フォーウィールドライブ(父アメリカンファラオ、産駒数86頭)は米3冠馬アメリカンファラオの初年度産駒。BCジュベナイルターフスプリントなど、2歳時の3連勝で示した芝適性と早熟性は、そのまま種牡馬としての売り物となる。父の産駒は日本のダートコースに特異な相性を示しており、隔世遺伝的なダートの大物が出る可能性も。

 ブルドッグボス(父ダイワメジャー、産駒数19頭)は地方に転じてJBCスプリントを制したダートの快足。アドマイヤマーズの快進撃に見る通り、種牡馬の父としてのダイワメジャーには量より質の決定力が備わっている。雄大な馬体は父譲り。産駒にも叩き上げの利くタフさは伝わるはず。

 オーヴァルエース(父ヘニーヒューズ、産駒数26頭)は3戦全勝で底を見せずに引退した大器。ヒヤシンスSでは同年のケンタッキーダービーで健闘するマスターフェンサーなど、のちの重賞級を完封した。飽和状態に近い父の後継の中でもそれなりの交配数を確保。まずは地方のダートで結果を出したい。

 アルバート(父アドマイヤドン、産駒数6頭)はスポニチ賞ステイヤーズS3連覇の長距離特化型。種牡馬としての用途が難しく、産駒数は伸び悩んでいるが、JBCクラシック3連覇の父から受け継いだリピート属性の一子相伝があるかもしれない。

 19年の京浜盃勝ち馬ステッペンウルフ(父サウスヴィグラス、産駒数1頭)は、唯一の産駒ゼロアワーが文字通りの一子相伝で門別のフルールCを優勝。今年のルーキーサイヤー最大のサプライズといえる重賞勝ち一番乗りを果たした。 (サラブレッド血統センター)

特集

この記者のコラム

他の記者のコラム