【エリザベス女王杯】空前のG1トリオ生む「祖母ランズエッジ」の真価発揮
2024年11月6日 05:30 現3歳がディープインパクトの半妹であるランズエッジの孫世代の当たり年ということは上半期から何度か触れてきた。桜花賞馬ステレンボッシュ、菊花賞馬アーバンシック、そして一族挙げての大攻勢の先鞭(せんべん)をつけたホープフルS勝ちのレガレイラは、ランズエッジを祖母として共有するいとこ。ちなみに同一世代のいとこから3頭のG1(級)勝ち馬が出たケースは日本競馬史上初めて。ハードルを2頭に下げても、今や最も有名ないとこ関係となったBCクラシックのシエラレオーネとジャパンダートクラシックのフォーエバーヤングは日米にまたがる番外として、最近ではチャンピオンズCを隔年で制したルヴァンスレーヴとチュウワウィザード(15年産、祖母オータムブリーズ)の例があるくらいだ。
そもそも同い年のいとこが3頭いるということは、姉妹の関係にある繁殖牝馬が少なくとも3頭以上いて、なおかつ同じ年に滞りなく受胎し、出産していることが大前提となる。今年で15回目の繁殖シーズンを終えたランズエッジが産んだ繁殖登録牝馬は通算5頭。そのうち11年生まれのカラエには流産のため現3歳世代の産駒がなく、20年生まれのピコデモンターニャにはまだ繁殖成績自体がない。つまり、ランズエッジを祖母に持つ3歳馬は母ロカ(12年産)のレガレイラ、母エッジースタイル(13年産)のアーバンシック、母ブルークランズ(14年産)のステレンボッシュと3頭しかいないわけで、その3頭が軒並みG1勝ちを収めるということは、軽々しく当たり年と表現するのがはばかられるほどの血統的ミラクルとも言える。
レガレイラの前走ローズSはデビュー以来初の牝馬限定戦で勝手が違った感じ。異世代相手となる今回は空前のG1トリオを生み出した「祖母ランズエッジ」の特異な遺伝子が真価を発揮するはずだ。(サラブレッド血統センター)
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