フォーエバーヤングの有馬記念“凱旋”を見てみたい

2025年2月26日 05:30

 昨年のケンタッキーダービーに続き、またしても世界の競馬史に残る名勝負を展開したサウジCのフォーエバーヤング。最終ターンからの出し抜けというロマンチックウォリアーの勝負手に進路をふさがれながら、外に切り替えて粘り強く脚を伸ばし、並べば抜かせない香港の連勝王を力でねじ伏せたパフォーマンスは究極のファイトバックとして後世に語り継がれるだろう。前年のアタマ差2着馬ウシュバテソーロに10馬身半差をつけたことで、レーティング的には130ポンド前後の評価も可能。勇敢な敗者となったロマンチックウォリアーともども、本年最初の世界ランキングのツートップに君臨することになるはずだ。

 ちなみにサウジCは第2回の覇者が前年の仏ダービー馬ミシュリフ、第4回は前年のドバイターフ勝ち馬パンサラッサという“G1二刀流”製造レース。今回もフォーエバーヤングがいなければロマンチックウォリアーがクロフネの再来となっていたわけだが、逆の見方ではフォーエバーヤングの潜在的な芝適性がロマンチックウォリアー級という可能性も示唆された形となる。フォーエバーヤングは母の父が同期の日本ダービー馬ダノンデサイルと共通のコングラツ。祖母ダーリングマイダーリングの半弟には秋季古馬3冠を達成した最後の馬にして、中山2500メートル2分29秒5の不滅のレコードホルダーでもあるゼンノロブロイがいる。今年は世界のダート王としてぜひとも有馬記念に“凱旋”してもらいたい。 (サラブレッド血統センター)

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