【札幌記念】疲れ知らずのポンデザール!中1週でも元気いっぱい悠々13秒6

2020年8月21日 05:30

ダートコースで追い切ったポンデザール(撮影・千葉茂)

 今週末の2重賞の出走馬が確定した20日、穴気配の牝馬たちが木曜追いで態勢を整えた。札幌日曜メイン「第56回札幌記念」の“第3の女”ポンデザールは、レコード激走から中1週でも疲れを感じさせない走りを披露。3戦3勝と得意の札幌芝で重賞初制覇を狙う。

 衝撃レコードの反動はない。ポンデザールは従来のレコードを1秒1も更新して圧勝した札幌日経オープンから中1週での臨戦。ダートコースでの最終追いは単走馬なりで4F57秒2~1F13秒6。終始ストライドはゆったりだったが、斉藤助手は笑顔で「オーバーワークにならないよう、前走の状態をキープすることを心がけての調整。動きには日に日に元気の良さが出てきています」と順調ぶりを伝えた。

 中間は馬体回復に努め、前走とほぼ変わらない数字まで戻った。毛ヅヤはピカピカ。ダメージはなく、好状態に映る。「ガラッと変わったわけではないけど、良化している感じ。気の入りやすい馬ではありますがここでは落ち着いていますし、滞在競馬が合っているのかも。輸送がないのも大きいですね」と同助手。北海道の水がすこぶる合うようだ。

 継続騎乗のルメールが「ハーツクライっぽいところがある。長くいい脚を使えるタイプ」と、コンビでG12勝を挙げた父を引き合いに出して高評価を与える素質馬。半兄サトノクラウンは宝塚記念、香港ヴァーズなど1800~2400メートルの重賞を6勝した。古馬になって本格化した父、兄と同じ成長曲線をたどれば、一線級相手に通用する可能性は十分にある。

 乗り越えなければならない壁は距離短縮だ。札幌芝での3戦3勝が全て2600メートル。斉藤助手も「トビが大きく長くいい脚を持続的に使えるステイヤータイプ。2000メートルの重賞で速い馬もいるので、これまでよりは明らかに(道中が)忙しくなるはず」と課題を認めつつ、「何とか洋芝適性で補ってくれれば」と期待する。

 北海道シリーズの芝コースでは4戦4勝。圧倒的な洋芝適性と父兄譲りの成長力。それに今夏も絶好調の名手のタクトがかみ合えば、G1馬3頭を蹴散らしての重賞初制覇も決して夢ではない。

 【夏はやっぱり牝馬!単勝回収率114%】札幌記念がG2に昇格した97年以降、牝馬は【8・4・4・31】と勝率17.0%、複勝率34.0%、単勝回収率114%の好成績。夏季ローカル唯一のG2も“夏は牝馬”の格言があてはまる。今年は3頭の牝馬が出走。当然、G1馬のラッキーライラック、ノームコアに注目が集まるが、ポンデザールも不気味な存在。開催リーディング独走中のルメールを鞍上に確保し、穴気配が漂う。

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