【ジャパンC】コントレイル参戦!“ファンのため”デアリングタクトと史上初の無敗3冠馬対決実現へ

2020年11月6日 05:30

デアリングタクト(左)とコントレイル(右)

 夢の直接対決が早くも実現する。先月25日の菊花賞を制し、史上3頭目の無敗牡馬クラシック3冠を達成したコントレイル(牡3=矢作)の次走が「第40回ジャパンC」(29日、東京)に決定した。5日、管理する矢作芳人調教師(59)が発表した。鞍上は引き続き福永祐一(43)。同レースには既に、無敗牝馬3冠のデアリングタクト(牝3=杉山晴)が参戦を表明しており、牡牝3冠馬が無敗のまま雌雄を決することになる。

 何よりファンを大切にした決断だった。コントレイルを管理する矢作師は、ジャパンC参戦を決めた経緯について「デアリングタクトも出てくるということで、ファンの盛り上がり、競馬としての盛り上がりも考えた。オーナーと相談して、そういう決断に至りました」と語った。あえて無敗3冠牝馬の名前を挙げ、ライバルと認めていることも隠さなかった。

 父ディープインパクトに続く、史上初の父子無敗3冠を達成した菊花賞は新星アリストテレスに首差の辛勝。手綱を取った福永が「死力を尽くして走ってくれた」と振り返る激闘だった。レース直後は疲労の色が濃く、年内休養の臆測もあったが、放牧で順調に回復。この日、矢作師は放牧先の大山ヒルズ(鳥取県)を訪れて、愛馬の様子を確認。「実際に見て体の張りもいいし完全に回復していた。見た限りでは何の心配もありません」と、GOサインの結論に達した。

 JCでは12年に同年の牝馬3冠ジェンティルドンナ(1着)と前年の牡馬3冠オルフェーヴル(2着)が激突したケースがあるが、牡牝の3冠馬が無敗のまま激突するのは、もちろん中央競馬史上初。舞台となる東京2400メートルではコントレイルがダービー、デアリングタクトがオークスを制しており、頂上決戦にふさわしい舞台でもある。また、JCはディープが06年、デアリングの父エピファネイアが14年に優勝。互いに父子制覇が懸かる、血統ロマンもたっぷりと詰まった一戦となる。

 さらに注目されるのがアーモンドアイの動向だ。1日に行われた天皇賞・秋で史上最多となる芝G1・8勝を達成。次走は近日中に発表の予定だがJCと香港遠征の2択となっている。もしJC参戦なら史上最強8冠馬に、無敗3冠2頭が挑む構図。まさにドリームレースの実現となる。

 コントレイルは今後、12日に大山ヒルズから栗東トレセンに帰厩。世紀の大一番に向けての調整が開始される。新型コロナの重い空気が立ちこめる中、快挙連発で競馬界を勇気づけてきた2頭の夢対決。世界中の競馬ファンがかたずをのんで見守る「伝説の11・29」が待ち遠しい。

 【ルドルフ&ディープは偉業後に黒星】牡馬3冠馬は菊花賞後の次走でも手堅い成績を収めている。ただ、無敗3冠のシンボリルドルフ、ディープインパクトは、3冠達成直後のレースで初黒星を喫した。コントレイルがジンクス打破に挑む。牝馬はジェンティルドンナ、アーモンドアイと直近2頭がジャパンCを制覇。デアリングタクトには追い風となるデータだ。

 【12年JC オルフェVSジェンティルは“女の意地”】牡牝の3冠馬対決といえば12年のジャパンカップ。主役は前年の牡馬3冠オルフェーヴル(牡4=池江)。3歳時は春のスプリングSから3冠を含め暮れの有馬記念まで6連勝。国内では無双だった。4歳時の凱旋門賞は惜しくも2着に敗れたが堂々たる戦いぶりにジャパンカップでも当然のごとく1番人気を集めた。ジェンティルドンナ(牝3=石坂)は桜花賞から秋華賞まで4連勝。8戦6勝で迎えたジャパンカップだった。レースは想像を絶する両馬の叩き合い。最後の直線で内のジェンティルドンナがオルフェーヴルに接触するアクシデントはあったが3番人気のジェンティルドンナが王者に土をつけた。

特集

2020年11月6日のニュース