【天皇賞・秋】“3冠馬の貫禄”コントレイル 楽々と坂路4F51秒7!洗練された馬体

2021年10月28日 05:30

キレのある脚捌きで坂路を駆け上がるコントレイル

 芝・中距離路線の実力馬がそろう「第164回天皇賞・秋」は27日、美浦&栗東の東西トレセンで各馬が追い切り、昨年3冠馬コントレイルは栗東坂路4F51秒7~1F12秒1と楽に好時計をマークした。順調に追い切りを重ね、こことジャパンCのラスト2戦に全力投球の構えだ。28日に出走馬と枠順が確定する。

 漆黒の馬体を弾ませた。コントレイルは朝一番に坂路へ。追い切りが集中する時間帯でも、ひときわ目を引く存在感。最初の1Fから14秒4、13秒1と徐々にペースを上げていく。金羅助手と呼吸を合わせ、後半ギアを上げてスッと加速した。仕掛けるシーンはなく、馬なりのまま4F51秒7~1F12秒1でゴール。その気になれば50秒台、いや、もっと時計が出そうな脚力だ。ただ、時計だけが重要なわけじゃない。動きをチェックした矢作師は稽古の質を評価する。

 「52秒から53秒台の指示だったけど、これだけ時計が出るのは状態がいいということ。コントレイルの特徴がしっかり出て柔らかみのある、いい動きでした」

 追い切りは点でなく線でチェックしないといけない。トレーナーがターニングポイントに挙げるのは福永が騎乗した先週のCWコース3頭併せだ。6F79秒4(1F12秒2)で外のダノンファラオ(4歳オープン)、真ん中のホウオウアマゾン(3歳オープン)に6馬身半先着。「先週かなり良くなっていたので(その状態を)キープするのが今回のテーマだった。きっちり維持できていたので言うことはないよ」と万全の仕上がりをアピールした。

 今年初戦の前走・大阪杯はデビューから初めて連を外して3着。切れ味をそがれる重馬場に加え、2走前のジャパンC(2着)から16キロ増となる過去最高体重(472キロ)が影響したという。「レース直前に雨が降った前走は道悪が敗因」とした上で「春は体重が増えて動きも良かった。成長したと喜んでいたけど疲労の残り方などを考えれば(体が)重すぎたと判断しています」と振り返った。

 あの敗戦を踏まえ、帰厩後はしっかり稽古を重ね、洗練された体つきに仕上がっている。「ダービー(460キロ)と同じぐらいで出せそう。休み明けでも、ひと叩きという気持ちはないです」と言い切った。こことジャパンC(11月28日、東京)の2戦で引退が決定済み。王座奪回を合言葉に昨年3冠馬がラストシーズンに臨む。

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