【天皇賞・秋】春全休ヒシイグアス良化に手応え!

2021年10月28日 05:30

カフェクラウン(右)と併せて追い切るヒシイグアス(撮影・郡司 修)

 【G1ドキュメント・美浦=28日】3連勝で重賞初勝利。今年1月の中山金杯・ヒシイグアスの勝ちっぷりを見て、鈴木智は「この馬はG1でも好勝負になる」と思った。続く2月の中山記念でも好位から余裕十分に差し切って重賞連勝。決して派手な勝ち方ではないが、ゴール板ではきっちり先着するスタイルに非凡な勝負根性を感じた。きっと春は大阪杯や宝塚記念に向かうのだろうと思っていた。

 ところが、そこから一向に出てこない。結局、春は全休。復帰戦は8カ月後の今回となった。堀師は「中山記念を勝った後は大阪杯を検討していたのですが、回復が遅かったので断念して放牧に出しました。その後は札幌記念を使いたい気持ちもありましたが、ダメージが大きくて、とても間に合う様子ではありませんでした」と明かした。

 9月29日に帰厩。天皇賞・秋を目標に急ピッチで調整された。「一度体を緩めると、締めるのにとても時間がかかる馬。一番暑い時季を過ぎてから、やっと回復に向かい始めました。ぎりぎり間に合ったという印象です」と指揮官。最終追いはWコースでカフェクラウン(5歳3勝クラス)と併せ馬。3馬身先行する形でスタートし、外で併入。5F68秒7~1F12秒2を刻んだ。

 「後ろの馬に反応して引っ張り切れない手応えでした。息遣いは若干悪かったですが、2週前に比べればだいぶ良くなっています。週初めは元気がいいのに、追い切ると回復に時間がかかるサイクルがずっと続いています。カイバは完食しているので、レースまでに心身のバランスを修正して臨みたい」(堀師)。鈴木智の脳裏には1、2月の強いヒシイグアスの姿が残っている。復活を期待したい。

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