【有馬記念】シャドウディーヴァに宿る大激走の血!父は05年ディープ撃破Vのハーツクライ
2021年12月22日 05:30 最前線現場記者が気になる穴馬に迫る「G1リベンジャーズ」。有馬記念の初回は東京本社の万哲こと小田哲也記者だ。注目はジャパンC7着から挑む5歳牝馬シャドウディーヴァ。全休明けの21日も名手・横山典弘(53)が付きっきり。その効果で雰囲気も最高潮だ。父は05年有馬記念優勝馬のハーツクライ。3歳のオークスで「0秒1差」で前にいた同期クロノジェネシスに注目は集まっているが、お買い得はこちら!?
有馬ウイーク全休明けの21日。シャドウディーヴァの背に主戦・横山典の姿があった。角馬場で時間をかけて体をほぐして坂路へ。4F60秒2~1F14秒4。軽快にキャンターで駆け上がった。年末まで栗東に拠点を置いている有馬記念29度目挑戦の横山典が、追い切りだけでなく、普段の稽古にも付きっきりなのはホレ込んでいるからこそ。調教後は、斎藤誠師と入念に言葉をかわした。
実は21日の調教にはひと工夫があった。今までなら他馬と隊列を組んで調教していたが、ポツンと離れて1頭。指揮官は穏やかに切り出した。「全休明けは出がけがコトコトしがちな馬が、出脚からスムーズにゆっくり出てくれた。ノリさんと相談して、集団調教から外して、やり方を変えたことがいい方向に出ている。馬の状態はとてもいい。筋肉も柔らかい」。
横山典が初騎乗した前走・ジャパンC(7着)は好位から巧妙に立ち回って見せ場たっぷりだった。ハーツクライ産駒といえば、14年オークスを制した厩舎の先輩ヌーヴォレコルトと同じ。同師は「ハーツの成長力は感じます」と5歳秋で重賞初制覇(府中牝馬S)を飾った愛馬の地力強化を感じている上で、こう付け加えた。「ノリさんもハーツクライに乗っていたんですよね。よく似ていると言ってくれる」。
96年サクラローレルで優勝歴がある名手。大一番で何かやってくれる。同師も53歳熟練の巧腕に託す。
「右にもたれる面があって、左回りがベターなのは確か。距離の2500メートルも若干長い。それをトリッキーなコースなどでカバーしてくれれば。何より、補って余りあるジョッキーの力がある。付きっきりで乗ってくれることで“何かが違っているぞ!!”と馬も感じていると思う」
同期クロノジェネシスとは、3歳春のオークス(6着、クロノは3着)で0秒1差に続いた実績もある。中山競馬場近くで育った斎藤誠師は幼少時に父と競馬場に訪れ、競馬の道を志した。有馬記念は07年サンツェッペリン(15着)以来、2頭目の挑戦。「中山の近くで育って、ずっと憧れていました。出したくてもなかなか出せないレース。僕の中では有力馬なのでとてもワクワクしています」。
誰もが負けないと思っていた大本命ディープインパクトを、父ハーツクライが撃破したのは05年有馬記念だった。大激走の血はディーヴァにも宿っている。
《ハーツクライ産駒は5歳以上に好走実績》ハーツクライ産駒の有馬記念成績は【1・1・2・12】。19年リスグラシュー(牝5)が優勝。13年ウインバリアシオン(牡5)が2着。シュヴァルグラン(牡)は5、6歳時の17、18年に連続3着。3歳や4歳時は成績がひと息で、5歳以上で好走が目立っている。