【桜花賞】(14)プレサージュリフト 逃げ候補は内、極上切れ味で突き抜ける

2022年4月8日 05:30

自慢の末脚を武器にVを狙うプレサージュリフト

 牝馬クラシック第1弾「第82回桜花賞」(10日、阪神)の出走馬18頭と枠順が7日、確定した。さまざまな要素から展開を多角的に分析する春のG1新企画「展開王~前か後ろか」。桜花賞3回目はプレサージュリフトをピックアップ。桜花賞で優位に立つ差し馬。キャリア2戦ながら鋭い切れ味が身上。直線の叩き合いで上位に食い込むとみた。同レースの馬券は8日午後6時半からインターネットで前売りがスタートする。

 桜花賞と言えば差し馬を抜きには語れない。過去10年の連対馬の3~4角通過順を見れば一目瞭然。先行馬が優勝した際でも、毎年必ず4角を8番手以下で通過した差し馬が連に絡んでいる。キャリアの浅い3歳牝馬同士。不確定要素が多く乱ペースになりやすい。好位勢が消耗し、後ろで脚を温存している馬が浮上するのが定石パターンだ。対照的に逃げ切りは至難の業。唯一逃げ切った15年レッツゴードンキは、前半5F通過が62秒5。これは現行コースとなった07年以降で最も遅い。カフジテトラゴン、パーソナルハイと逃げ候補2頭が内枠に入った今年、そこまでの緩流は考えにくい。

 差し馬浮上の前提で気になるのは2戦2勝のプレサージュリフトだ。新馬戦→クイーンCと3F33秒台の切れ味で鮮やかな差し切りV。コンビを組む戸崎が「ゲートから出ての1歩目が遅い」と評するように、スタートは決して褒められない。ゆえに後ろの位置取りとなるが、その不利を回収して余りある末脚。最大の武器をいかんなく発揮する要因の一つが道中の運びのうまさ。木村師が「リズムを取ってコントロールが利いた走り」と評するように、勝負どころまでのエネルギーロスが少ない。

 今週末の阪神は好天が続き良馬場の見込み。過去10年の良馬場の桜花賞で“差して”連対した11頭のうち、10頭は出走以前に3F32~33秒台の上がりをマークしていた。2戦共に3F33秒台のプレサージュなら、この条件は楽にクリアできる。唯一、条件に該当しない12年ジェンティルドンナは、桜花賞も3F34秒3の上がりでV。近年の高速決着の傾向からは例外としていいだろう。

 枠は外めの14番に入ったが、初戦が大外16番で、2戦目が13番。外枠の戦い方に慣れていると考えれば悪い枠ではない。好位から抜けたソダシに、追い込んだサトノレイナスが迫った昨年が記憶に新しい。直線の攻防を楽しみたい。

特集

2022年4月8日のニュース