【宝塚記念】ディープボンド 内回りタフな馬場合う!身上ロングスパートさく裂

2022年6月23日 05:30

和田竜二を背にスタンド前で運動するディープボンド

 予想の重要ファクターである展開を、さまざまな角度から検証する春のG1企画「展開王~前か後ろか」。2回目は悲願のG1制覇を狙うディープボンドにスポットを当てる。諦めることを知らないタフネスランナー。阪神内回りのコースレイアウトにこの時季特有のタフな馬場がピタリとフィットする。身上のロングスパートがさく裂、トップスターへのステップを踏む。

 ここ2年の宝塚記念はレース直前に雨が降った。今年も週末の天気は微妙。火曜日はたっぷりと雨が降った。週末まで強い太陽が影を潜めるなら、梅雨らしいタフな馬場が完成するかもしれない。

 スタンド6階の記者席から見ても、芝の内回りと外回りでは様相が違う。直線が長く決め手の生かせる外回りに対し、内回りは機動力といい脚を長く使える要素が求められる。ここ3年のレースラップを見ると昨年はラスト5Fから4Fの間で12秒3→11秒5とペースアップ。3年前も12秒0→11秒6と上がっている。

 内回りは3角手前の残り1000メートル付近から緩やかに下る。ここから徐々に加速。ペースが上がる。上がりの指標として「ラスト600メートル」が挙げられるが、宝塚記念ではもう少し長めの「ラスト800メートルからの脚」が肝要。一瞬の切れ味よりロングスパート、そんな特性を持つのがディープボンドだ。

 注目したいのが連覇した阪神大賞典。昨年のレースラップはラスト6Fから2Fまで全て12秒台前半を刻んだ。ハロン間の差が0秒2の間に収まる、持久力を体現するラップ構成。今年は前半1000メートルが63秒1→中盤62秒9とほぼ変わらず流れた。終盤勝負、ラストの1000メートルから11秒台に入り、少しずつ加速。長くいい脚を使い、ゴール前で決めた。主戦の和田竜は舞台設定を歓迎する。

 「強みはバテないスタミナ。阪神なのであまり切れ勝負にはならないと思います。上がり勝負では分が悪いので、ペースは流れてくれた方がいいですね」

 前走の天皇賞・春はカラ馬がいて、アンラッキーな展開になってしまった。大久保師は同馬のセールスポイントを「諦めずに最後まで鞍上の指示に従って走ってくれる」と話す。宝塚記念はG1で最も上がりのかかるレース。長く、しぶとく、諦めず。マラソンランナーを地で行くディープボンドが強みを最大限に表現できる場所で花を咲かせる。

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