【オールカマー】デアリングタクト “3冠女王流”坂路でサラリ1F12秒6!松山「しっかり勝ちに行く」
2022年9月22日 05:30 “大きな秋”を見つけよう。中山日曜メイン「第68回オールカマー」の追い切りが21日、栗東、美浦トレセンで行われた。完全復活を期す20年3冠牝馬デアリングタクト(牝5=杉山晴)は坂路で馬なり。1週前に負荷を掛け、当週はサラッと。女王流の追い切りレシピを踏み、態勢を整えた。先週のセントライト記念を制した松山×杉山晴師のコンビが今週も勝利をお届けする。
完全復活の秋、輝けるステージへ加速する。デアリングタクトは開門直後の坂路で単走。馬なりでリズミカルに時計を刻んでいく。鞍上の手は持ったまま。4F54秒6~1F12秒6。時計は地味だが、これで十分だ。1週前にはCWコースで6F78秒6~1F11秒8の猛時計。負荷はかけてある。思えば宝塚記念の最終追いが坂路4F54秒9、前々走のヴィクトリアMも4F55秒4。直前はサラッと。これが3冠女王のスタイル。2週続けて感触を確かめた松山が切り出す。
「1週前にCWコースでやって当週は坂路、追い切りのローテは変わりないですからね。いつも通りです。先週乗った時に上向いていると思いましたけど、そこから大きく変わりはないです。ひと夏を越えて良くなっていますし、柔らかさが出てきていますね」
昨年4月の香港クイーンエリザベス2世C(3着)の後に右前脚けいじん帯炎を発症、約1年1カ月の休養に入った。長期休み明けのヴィクトリアMが6着。前走の宝塚記念はディープボンドに競り勝って3着、復活の福音は確かに聞こえている。杉山晴師は「坂路に下ろす前はグッと気合を乗せて、いい時のデアリングタクトの姿でした。坂路に入ると力むこともなく、奇麗に走ってくれましたね。長期休養明け3走目、いい時に確実に近づいていると思います」と一昨年の秋華賞以来の勝利へ、手応えを感じとっている。
鞍上の松山は新馬戦からずっとコンビを組む。乗り替わりが頻繁に起こる今、やはりかけがえのない馬だという。「僕の騎手人生において、間違いなくなくてはならない存在です。勝ち星が遠のいているので、しっかり勝ちに行きたいですね」と力を込めた。先週のセントライト記念はガイアフォースでV。今週も杉山晴厩舎とのコンビで、強い女王を勝利へエスコートする。
《前走G1組強し》オールカマーは前走G1組が強い。過去10年のステップレースを見ると、宝塚記念組が【3・2・2・7】で勝率21%、連対率36%を誇る。また、牝馬が過去10年で4勝、2着4回と良績。連対した8頭のうち7頭が5番人気以内だった。ここ2年は牝馬ワンツー。牝馬強しの流れを受け、デアリングタクトが初めての中山コースでVロードを駆け抜けるか。