開設100周年へさらに進化続ける京都競馬場

2023年6月21日 10:15

リニューアル工事が行われている京都競馬場の旧スタンド(ステーションサイド)

 日々トレセンや競馬場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由に書く東西リレーコラム「書く書くしかじか」。今週は大阪本社の小林篤尚(46)が担当する。4月22日にグランドオープンした京都競馬場はひと開催12日間が終了した。開催の総括と第2期の改修工事について話を聞いた。

 京都は4月22日に新スタンドが完成してグランドオープンを迎えた。902日ぶりにレースが再開。改修期間中も、春夏秋冬パークウインズ京都に足を運んだ。馬券は専ら現場派。今も休日の日曜には基本、ここで馬券勝負をしている。春の開催12日間を京都競馬場総務課の片岡雄介さんに振り返ってもらった。「スタンドが奇麗になったという声が多かったですね。パドックが見やすくなったという声もたくさん聞かれました。見慣れた円形から変わってどうかと思いましたけど、好評でした」と手応えを得た。

 改修前の19年、春の京都開催12日間で約32万人のファンが来場した。今開催は26万7000人。数字こそ下回っているが、前半の4日間は入場制限を行った。天皇賞・春は入場券が完売して約4万5000人がレースを見届けた。「制限がなければもう少し多かったでしょうし、数字は下回っていますけど健闘したと思います」と語った。

 一方で課題も見えた。入場にQRコードを導入。不慣れなファンもいて、中に入るまでに時間がかかるケースもあった。「行列ができた日もありました。お待たせする時間を短くするように、見直しはしました。今後は全競馬場で展開されるので、考えていきたいですね」と思案顔だった。事前に入場券をネットで購入しておけば、スムーズに事は運ぶ。事前購入が浸透すればと思う。

 生まれ変わった指定席には新たなツールができた。アプリを使って場内の映像と同じものが見られるサービスを開始。以前の指定席にあったモニターが取り払われ、それに代わるもの。東京でのテスト配信を行い、京都のリニューアルに合わせて本格的な運用が始まった。「指定席利用者の4分の1の方にお使いいただきました。多くの人に知っていただきたいですし、秋に向けて改善もしていきたいですね」と語った。

 京都はこの秋、さらにパワーアップを遂げる。現在、第2期の改修工事に入っている。パークウインズとしての営業も、旧スタンドのステーションサイドを閉鎖して行われている。指定席が一新され、1階のフードコートや4階のレストランが全面的にリニューアル。ターフビジョンも新しくなる。4コーナー寄りのターフビジョンは既に工事が始まり、大型ビジョンも来月以降は運用を休止。時期は未定ながら、子供の遊び場として好評の緑の広場も「遊具の更新を考えています」とのこと。25年の淀開設100周年へ向け、さらなる進化へ向かう。 

 ◇小林 篤尚(こばやし・あつひさ)1977年(昭52)3月31日生まれ、大阪府枚方市出身の46歳。淀で競馬を見始めて四半世紀。学歴も寝屋川高、龍谷大と京阪電車の車窓から見える場所でまとめた。

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