【阪神JF】良血サフィラ能力解放!グイッと伸びた坂路4F54秒9 池添師「動きは申し分なかった」

2023年12月7日 05:26

坂路を単走で追い切るサフィラ

 調教の動きだけに注目して勝ち馬に迫る「厳選超抜リスト」。2歳女王決定戦「第75回阪神JF」で気配が光ったのはアルテミスS2着から参戦する良血サフィラだ。1週前追いはCWコースで好時計。今週は坂路馬なりで体調を整える程度だったが活気あふれる動きでスイスイ駆け上がった。19年朝日杯FSを制したサリオスの全妹で、血統背景は超一流。万全の仕上げでG1獲りを狙う。

 開門直後の坂路を駆け上がった良血サフィラは単走追い。厩舎スタッフを背に最初の1Fを15秒1で入り、ゆったり折り合い重視で進めた。手綱を持ったまま馬なりで加速ラップを刻み、残り1F付近で軽く促すと馬場の真ん中からグイッと伸びて、4F54秒9~1F12秒3を楽々と計時した。池添師は「先週しっかり時計を出して、いつでも動ける態勢を確認できたので、今週は軽めの調整。動きは申し分なかった」と納得の表情を浮かべた。

 キャリア3戦、これまでの最終追いは全て坂路で馬なり。新馬戦が4F53秒9、未勝利戦が4F53秒1、前走・アルテミスSが4F54秒5。全体時計こそ今回が最も遅かったが身のこなしが柔らかく、バランスの取れたフットワーク。気合乗りも良かった。デビュー戦から主戦を務める松山が手綱を取った先月29日の1週前追いはCWコースでいっぱいに追われ、この日の栗東CWコース最速の6F77秒9を計時。松山は「デビュー時から完成度が高く、いいものを持っていたので大きくは変わっていないが、いい状態を維持している」と順調さを強調した。

 新馬戦は直線で内ラチ沿いにぶつかって不完全燃焼の3着に敗れたが2戦目、中団外から上がり3F最速の脚で差し切り初勝利を飾った。前走・アルテミスSはゆったりした流れで道中6番手を追走。直線に入っての追い比べは、勝ち馬チェルヴィニアの決め手に屈したが外々を回る展開で2着なら立派。鞍上が「馬群の後ろで折り合いがついて、ためが利いたし、凄くいい競馬だった。今のところ言うことはない」と評価すれば、池添師も「もう少し後ろのトモがしっかりしてほしいけど、その中で、これだけのパフォーマンス。結果には満足している」と前向きな言葉を並べた。

 レース後の回復が早く、参戦に踏み切った。レースを使うごとに馬体重を減らしている現状を考えれば、長距離輸送がないのは何よりの好材料だ。20年ソダシ、21年サークルオブライフ、昨年リバティアイランドと3年連続で勝利している前走アルテミスS組から唯一の参戦。良血ファミリーから新たなスター誕生へ、初勝利を飾った阪神外回りで本領を発揮する。

 《兄姉のような活躍を》ハーツクライ産駒サフィラの全兄サリオスは19年朝日杯FSを制した。84年のグレード制導入後、史上4組目のJRA2歳G1きょうだい制覇(過去にサクラチヨノオー&サクラホクトオー、ブエナビスタ&ジョワドヴィーヴル、リオンディーズ&サートゥルナーリア)が懸かる。兄とのコンビで昨年の毎日王冠を制した松山は「この血統はみんな素直で乗りやすく、いい末脚を持っている」と共通点を挙げる。厩舎の先輩で半姉のサラキアは20年府中牝馬Sを制し、続くエリザベス女王杯とラストランの有馬記念で2着に入った。池添師は「姉のように成長してほしい。ここで結果を出せれば、来年が楽しみ」と期待を寄せている。

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