【阪神JF】コラソンビート 我慢が利いて抜群の瞬発力、加藤士師「思惑通りの完璧な追い切り」

2023年12月7日 05:26

ウッドチップコースで追い切るコラソンビート(撮影・郡司 修)

 【G1ドキュメント・美浦=6日】調教スタンドでコラソンビートの追い切りを見届けた加藤士師が満足そうな笑みを浮かべている。「思惑通りの完璧な追い切りができた。前走(京王杯2歳S)時よりもいい動きだった」。テレビインタビューのマイクを向けられても自信に満ちた胸の内を隠さなかった。

 Wコースで単走追い。気負わずリラックスしながら直線に向き、最後だけ脚を伸ばす。そんな指示通り、落ち着いたフットワークで直線に入ると、440キロ前後の小さな栗毛が弾んだ。馬なりのままラスト1F11秒4の瞬発力。「前走から1F延びるが、道中これだけ我慢が利けば対応できると思う。力が入り過ぎることもなく疲れの残らない追い切りができた」と続けた。

 メンバー唯一の3勝馬。後に5頭が勝利を挙げるハイレベルな新馬戦で3着に入った後は未勝利、ダリア賞、京王杯2歳Sと3連勝中だ。前走は2歳コースレコードで98年ウメノファイバー以来、25年ぶりとなる牝馬V。開業5年目の加藤士厩舎に初のJRA重賞タイトルをもたらせた。「出遅れて位置取りが後ろになったのでハラハラしたが、力を出し切って切れた。その後は短期放牧でリフレッシュを図って帰厩。1週前追い切りではジョッキー(横山武)に乗ってもらい、3頭併せで負荷をかけた。競馬が近いのを察して、ピリッとしてきた」(同師)

 横山武は「前走でも(ハミを)かむシーンがあったのでマイル戦では折り合いが課題。テンションが上がり過ぎないように厩舎と僕とで工夫したい」と語ったが、調教では折り合いという課題をクリアした。「勝ち負けはともかく、絶対いい競馬になると思う」。同師は梅崎ら競馬記者に力強い言葉で締めくくった。

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