【有馬記念】武豊 再び「帰ってきました!」 信頼の手綱「こんなもんじゃない」ドウデュース逆襲
2023年12月24日 16:10 冷たい風を切り裂いて、昨年のダービー馬が頂点に帰ってきた。G1馬8頭など豪華メンバーが集った暮れの大一番。輝きを放ったドウデュース(牡4=友道)の背には、帰ってきた武豊がいた。
怪我もあって苦しんでいた13年、キズナでダービーを制した時に「僕は帰ってきました!」と話した武豊。この日のインタビューでは10年の時を経て、このフレーズも復活した。パートナーの名前も添えて。
「ドウデュースも私も帰ってきました!」
10月29日、天皇賞・秋を控えた5R終了後、武豊は騎乗馬に蹴られ、右大腿筋挫傷を負った。天皇賞は無念の乗り替わりとなり、7着に敗れたレースはテレビで見た。
患部の治りは想像以上に遅く、11月26日のジャパンカップでドウデュース(4着)に騎乗することもかなわず。武豊が久々にトレセンに姿を見せたのは、12月8日だった。当日、自身の公式サイトにつづったのは、パートナーへの思いだった。
「ドウデュースがいなかったらボクは今朝栗東に出向いていただろうかということ。あの馬と有馬記念に出たいという思いが、治療とリハビリの支えになっているのでした」
実戦復帰は先週。16、17日は計4鞍の騎乗で、G1朝日杯フューチュリティSはエコロヴァルツで2着に入ったが、復帰週に勝利は挙げられず。1鞍入魂だった有馬記念で、復帰後初勝利を決めた。
「ダービーの後、ほんとに苦しい思いをしていたので。この馬はこんなもんじゃないと思って、ずっとここまできて。今日のメンバー強いメンバーですけど、ドウデュースが一番強いと思って乗りました」
信頼の手綱で引き出した逆襲の末脚。世界最強イクイノックスはターフを去った。24年、武豊&ドウデュースには再び凱旋門賞への挑戦プランも浮上。絵になるコンビが、競馬シーンをけん引する。