【ユニコーンS】カナルビーグル混戦制した!3月に開業、佐藤悠師が37歳誕生日に重賞初V
2025年5月4日 05:17 昨年から舞台を東京から京都に移し、東京ダービー(6月11日、大井)の前哨戦の位置付けとなった3歳ダート重賞「第30回ユニコーンS」が3日、京都競馬場で行われ、吉村誠之助(19)騎乗の3番人気カナルビーグルが混戦を制した。今年3月に開業したばかりの佐藤悠太師は37歳の誕生日当日にうれしい重賞初勝利となった。
上位人気“3強”が後続を離した、熾烈(しれつ)な叩き合い。大捲りでレースを動かした武豊メイショウズイウン、それを追った1番人気、レーンのクレーキング。そして、最後に争いに加わったのが19歳の若武者・吉村駆るカナルビーグルだ。4角では後方待機の2頭に出し抜かれる形になったが、直線インから再び抜き去り逆転のゴール。吉村は「馬が凄く強かった」と相棒を称賛した。
道中は4番手、先行集団のど真ん中で折り合った。「時計も速かったのである程度の位置を、と思っていた。いいスタートで取りたいところで競馬ができた」と吉村。外に持ち出そうとした4角でライバル2騎に蓋(ふた)をされたが、「多少強引になったところがあったが、内に切り替えてからよく伸びてくれた」。同じリアルスティール産駒の砂王フォーエバーヤングを彷彿(ほうふつ)させるど根性で挽回に成功した。
ルーキー佐藤悠師は厩舎初勝利ももたらした同馬で重賞初挑戦V。父で金沢の調教師でもある茂さんが現地で見守る中、開業わずか60日目でのタイトル獲得となった。「新規の厩舎に馬を預けていただいたオーナーのおかげ。騎手と馬が頑張ってくれた。進路を切り替える形になって馬もしんどかったと思う」と感謝を口に。自身37歳の誕生日というおまけ付きには「実は担当者(渋谷和司厩務員)も2日前が62歳の誕生日。そっちのおかげで勝てたと思う」と笑みを浮かべた。
昨年の勝ち馬ラムジェットは東京ダービーも連勝。今後について指揮官は「まだまだ良くなる。成長を阻害しないように。成長を見極めて相談していきたい」。吉村も「トモの緩さ、幼さなど改善しなければならないところはあるが、先々本当に良くなってくると思う」と将来性を高く評価した。発展途上で登竜門を突破した新たな怪物候補が世代のテッペンへ名乗りを上げた。
◆カナルビーグル 父リアルスティール 母ソブラドラインク(母の父インクルード)22年2月10日生まれ 牡3歳 栗東・佐藤悠厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績5戦3勝(重賞初勝利) 総獲得賞金5398万3000円 馬名の由来はアルゼンチンとチリの間に流れている海峡。母の生産国より連想。
◇佐藤 悠太(さとう・ゆうた)1988年(昭63)5月3日生まれ、山形県出身の37歳。父は元上山競馬の調教師で現在、金沢競馬で調教師を務める佐藤茂師。12年にJRA競馬学校に入学し、13年から栗東・田中章博厩舎で調教助手、16年に寺島良厩舎へ。24年に調教師免許を取得し、今年3月開業。JRA通算40戦5勝。