【ホープフルS】新星誕生!ロブチェン無傷2連勝 G1昇格後初の「キャリア1戦馬V」

2025年12月28日 05:25

<中山11R・ホープフルS>レースを制した(4)ロブチェン(撮影・五島 佑一郎)

 5年ぶりに有馬記念の前日開催となった「第42回ホープフルS」が27日、中山競馬場で行われ、新馬勝ちから臨んだ7番人気ロブチェンが中団から鮮やかに差し切りV。デビュー2連勝でG1初制覇を飾った。同レースが17年にG1へ昇格して以降、キャリア1戦馬によるVは初。鞍上の松山弘平(35)、管理する杉山晴紀師(44)も同レース初勝利。父のワールドプレミアにとっては産駒の重賞初制覇がG1となった。

 先行勢をかわして先頭でゴールに飛び込んだ瞬間、鞍上の松山には特別な思いがこみ上げた。ロブチェンと同じ杉山晴厩舎のジョバンニで挑んだ昨年のホープフルSは2着止まり。「昨年は昨年ですけど、同じ杉山(晴)厩舎で悔しかったですからね。今年はしっかり勝てて良かった」。見事に昨年のリベンジを果たし、最高の笑顔がはじけた。

 新馬戦を勝ったばかりでのG1挑戦とあって7番人気の低評価。しかし、結果は横綱相撲とも言える堂々たる勝ちっぷりだった。4番枠から好スタートを切ったものの、1角で少し狭くなったため「無理はせずにリズム優先で」(松山)控えて中団インを追走。馬群の中でもスムーズに折り合い、最後の直線は外へ。松山のゴーサインに応えて強烈な伸びを見せ、メンバー中最速タイの上がり3F345で鮮やかに差し切った。

 「調教でしまいに良い脚を使っていたので切れるのは分かっていた。うまく脚がたまったし、最後は届いてくれ!という気持ちだった」。レース前に期待した通りの末脚を引き出せた松山は満足そう。続けて「人間の指示を聞いてくれて、コントロールがしやすい。厩舎がしっかりと管理してくれています」と、陣営の仕上げを勝因に挙げた。

 松山と同様に昨年2着の雪辱を果たした杉山晴師も「本当にうれしい。今年1年、厩舎はG1で2着4回(安田記念&マイルCSのガイアフォース、秋華賞のエリカエクスプレス、阪神JFのギャラボーグ)。まだ明日(有馬記念)もありますけど、最後に1つ勝てて良かった」とストレートに喜びを爆発させた。この日は阪神C(ルガル)、さらに阪神12Rも制して60勝に到達。2位斉藤崇厩舎(53勝)との差を「7」に広げ、最終日を待たずに全国リーディングも決めた。

 17年のG1昇格後、初めてキャリア1戦でVを飾ったロブチェン。今後は「当然、皐月賞やその先につながる。その前にどうするかはオーナーと相談します」(杉山晴師)と未定も、全く底を見せないまま来年のクラシックを迎える。どこまで連勝街道を突き進むのか。大きく夢が広がった。

 ◆ロブチェン 父ワールドプレミア 母ソングライティング(母の父ジャイアンツコーズウェイ)23年4月9日生まれ 牡2歳 栗東・杉山晴厩舎所属 馬主・フォレストレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績2戦2勝(重賞初制覇) 総獲得賞金7866万2000円 馬名の意味はモンテネグロの山名。

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