【阪神12R】田中健騎手が現役ラスト騎乗で劇的V「康太が見ていてくれた」「あいつのおかげ」

2025年12月28日 17:38

(前列左から)同期の浜中、藤岡康太さんの遺影を手にする元騎手の大下助手(池添厩舎)、ラストライドを終えた田中、荻野琢ら騎手仲間

 現役最後のレースは歓喜に包まれた。デビュー19年目の田中健(37=中村)が28日、阪神でジョッキー人生にピリオド。一頭入魂で12R・カウントダウンSのイツモニコニコ(牝4=浜田、父ビッグアーサー)に継続騎乗。昇級戦だが、がっちり好位につけ、最後の追い比べを制した。

 われんばかりの拍手で検量室前に迎えられ、満面の笑み。表彰式の後にはウイナーズサークルで同期の浜中、荻野琢ら多くの騎手仲間に囲まれ、記念撮影。そこには藤岡康太さんの遺影があった。「ここにはいないけど康太が見ていてくれたと思います。今日も康太が着けていたレギンスを使って最後に乗れて、勝つことができたのは、あいつのおかげです」と昨年、不慮の落馬事故で天に召した同期に感謝の言葉をささげた。

 今後は所属先の中村厩舎で調教助手に転向する。「19年間、長いことやらせてもらい、乗せていただいたのも関係者の皆さまのおかげです。来年からも競馬界で働くので、また違う形で頑張れたらと思います」と気持ちを新たにした。華やかな表舞台からは去るが、これから裏方として中央競馬を盛り上げていく。

 07年3月に栗東・浅見秀一厩舎所属でデビューし、JRA通算3645戦162勝。うち重賞は10年ファンタジーS(マルモセーラ)、14年京阪杯&15年シルクロードS(アンバルブライベン)と3勝した。
 

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