ディープ産駒「シルバーコレクター」脱却だ
2020年10月28日 05:30 種牡馬ディープインパクトは先のスプリンターズS、グランアレグリアの勝利によってJRA芝平地G1・22レースのうち21レースまでを制圧した。そのうち最多6勝の日本ダービー、コントレイルの4勝目でサンデーサイレンスに肩を並べた菊花賞など16レースで「2勝」以上を挙げているのだから驚きだが、逆に残る5レースが苦手部門という見方もできる。
自身が出走機会のなかった秋の天皇賞は種牡馬ディープインパクトの「1勝G1」のひとつ。勝ったばかりの前記スプリンターズS、格上げ間もない大阪杯とホープフルSを別にすると、宝塚記念と並ぶ“鬼門”ということになる。種牡馬としての最後のロングスパートに入った今後は、唯一未勝利の高松宮記念ともども、恐らく最重点の攻略ポイントとなるだろう。
優勝馬は14年のスピルバーグのみだが、2着馬は13年、14年のジェンティルドンナ、15年ステファノス、16年リアルスティール、18年サングレーザー、19年ダノンプレミアムの延べ6頭。秋の天皇賞に限れば今のところ種牡馬ディープインパクトは最強の“シルバーコレクター”ともいえる。ちなみにサンデーサイレンスは自身の死後、04年から3年連続で優勝馬を出した。春秋連覇に挑むフィエールマンなど5頭出しの今回を起点に、偉大な父の足跡をなぞる可能性は十分にある。 (サラブレッド血統センター)