【大阪杯】コントレイルは必然の王者 母系にあふれる南米の生命力

2021年3月31日 05:30

 今回の大阪杯は史上8頭目の3冠馬コントレイルと史上初の“3階級制覇”に挑む女傑グランアレグリアの一騎打ちの様相。ディープインパクト産駒は両馬の他にも5戦全勝の新星レイパパレ、3年前のダービー馬ワグネリアンなどの7頭出しである。G1昇格後は19年アルアインの1勝のみのディープインパクト産駒だが、G1昇格前夜の14年から16年までは15年のワンツー(ラキシス―キズナ)を含む3連勝。グレード認定の際に吟味されるのは前3年のレースレーティングなので事実上、種牡馬ディープインパクトは「G1大阪杯」の生みの親ということになる。国内2つ目の古馬芝2000メートルG1は、その傑出した種牡馬能力の受け皿であり、象徴とも解釈できるだろう。

 G2当時の大阪杯では3冠馬ミスターシービーが(地)の伏兵ステートジャガーに競り負けたり、不沈艦テイエムオペラオーの重賞連勝記録が途切れたり、しばしば番狂わせが演じられたが、定量G1でコントレイルが負ける可能性は極めて小さい。コントレイルの祖母の父ティズナウはブリーダーズCクラシックを連覇した史上唯一の馬。ちなみに同馬の父シーズティジーはチリ産の名牝ティズナの孫で“G1元年”の覇者にして国内歴代最多獲得賞金牡馬キタサンブラックの祖母の半兄でもある。絶対王者への進化をアシストする生命力にあふれた南米血脈だ。(サラブレッド血統センター)

特集

この記者のコラム

他の記者のコラム