【香港QE2世C】DNAに刻み込まれた成功体験でキセキ復活なるか

2021年4月21日 05:30

 春のG1中休みの今週末は香港チャンピオンズデー(25日、シャティン)。日本調教馬はクイーンエリザベス2世Cにキセキ、グローリーヴェイズ、デアリングタクト、ラヴズオンリーユー、チェアマンズスプリントにダノンスマッシュが出走を予定している。
 特にクイーンエリザベス2世Cは日本調教馬に因縁の深いタイトル。デアリングタクトにとっては14年に4着に敗れた父エピファネイアの雪辱戦であり、キセキにとっては12年の覇者である父ルーラーシップとのレース史上初の“2代制覇”が懸かる一戦だ。

 馬産が行われていない香港では競馬と血統の関係が希薄で、競走馬の大半は一代限りの去勢馬。クイーンエリザベス2世Cも国際G1に格付けされた01年以降、連覇を狙う昨年の覇者エグザルタントまで延べ20頭の優勝馬のうち12頭までが去勢馬だった。牡の優勝馬は01年のドイツ調教馬シルヴァノ、02、03年連覇のエイシンプレストン、4年連続出走予定の地元馬タイムワープの父である08年の南アフリカ調教馬アーキペンコ、そして12年の前記ルーラーシップ、17年ネオリアリズム、19年ウインブライト。ほぼ日本調教馬に占められているのである。

 9年前の同レースで獲得したG1馬の称号と123ポンドのレーティングが種牡馬ルーラーシップに箔(はく)を付けた。菊花賞を最後に勝利から遠ざかっているキセキだが、DNAに刻み込まれた成功体験が復活のトリガーになるかもしれない。(サラブレッド血統センター)

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