【高木】やむにやまれぬ懐事情...痛恨の見送り

2021年8月19日 10:00

 ▼木曜日のテーマは競馬。前週に高配当をヒットした記者が「この馬券こう当てた」で的中レースを検証する――コーナーだが、今回の高木翔平記者は新潟のマイルG3「関屋記念」において、3連単4万6820円の高配当を◎△○で的中したにもかかわらず、懐は潤っていない。記者の事情も含めた聞くも涙の物語だ。

 前の週は新潟出張で馬券を買いまくって、しこたまやられた。今週末も新潟出張の予定で現場に行けば絶対に馬券を買う。資金は湧いてこない。間で休みをもらった15日(日曜)は、レースは見るが馬券を休まないと財布が持たない、というやむにやまれぬ懐事情。そんな時に限って…。

 自分の馬券は別にしても「こう当てた」と胸は張れない。想定は道悪予想。金曜から並ぶ傘マークにタフなコンディションは避けられないと確信していたが、新潟競馬場の排水施設はさすが。雨が上がればすぐ良馬場に回復した。米国血統のロータスランドはやや重~不良で【3100】の道悪巧者。ドボドボの芝をパワフルに駆け抜ける姿をイメージ。「良まで回復したらどうか」と思ったが、結果はこちらの想定を上回るものだった。

 レース展開は大方読み通り。“飛ばしてなんぼ”のマイスタイルが演出した前半1000メートルは58秒1の締まった流れ。同じ芝1600メートル戦の6月米子S(1着)も重馬場ながら前半1000メートル58秒8と息の入らない一戦だっただけに、2番手を追走する姿に「これはいい形になった」と思った。買っていなくても本命には勝ってほしいのだ。よどみのないラップに人気勢ソングライン、シャドウディーヴァの末脚はたまらない。ロータスランドは直線、荒れているだろう内でしぶとく粘り込んだ。馬の能力を信じた鞍上・田辺の好リードに拍手を送りたい。

 2着の△カラテ、3着の○ソングラインは普段から美浦トレセンで取材している馬だ。カラテは中間の放牧ですっかり立て直し、脚元の不安がなくなったのを確認していたから印が回った。見事な復活。東京五輪の空手女子形・清水希容のような誇れる銀メダルだ。

 NHKマイルC2着と実績十分のソングラインが51キロでいい状態なら重い印は当然。◎とは馬場適性の面で差をつけた…はずだが、前日の予想原稿で書いた馬場状態と実際のレースが全然違っては誇れない。自身の馬券も痛恨の見送り。揚げ句デスクから「こう当てた、頼むよ!!もうけたよね!」と能天気な電話をもらってポチポチとキーボードを叩く始末。何一ついいことがなかったかといえば、読者で自分の予想を参考にして当てた方がいるなら、これ以上の喜びはありません…。 (高木 翔平)

特集

この記者のコラム

他の記者のコラム