【面来】京成杯で未勝利を勝ったばかりの11番人気を本命にできたワケ

2025年1月23日 10:00

 木曜のテーマは競馬。前週に会心ヒットを放った記者が、的中へのプロセスを振り返る。今週は東京本社から面来陽介。京成杯で◎を打った11番人気ニシノエージェントが差し切りVを飾り、馬単7万7110円を的中させた。予想の決め手は何だったのか。それは優勝馬だけが持つ唯一の経験値だった。

 まさに会心の一撃!とはならなかったが、京成杯は◎ニシノエージェント→▲ドラゴンブーストで馬単を的中。近年はクラシックの登竜門として注目を集める3歳重賞で、未勝利戦を勝ったばかりの伏兵をなぜ本命にできたのか。他馬にはない舞台経験を持っている点に着目したからだ。

 精鋭が集結する皐月賞と同じ舞台だが、京成杯はキャリアが浅い1勝馬中心のメンバー構成。エージェントはデビューから4戦目の前走(中山芝1800メートル)で初V。時間は要したものの中山芝コースでの勝利があった。

 京成杯が行われる中山芝2000メートルは、4つのコーナー+急坂を2回上がる超過酷な舞台。同じ条件での勝利はなくても、中山での“唯一の1勝”が本命馬を決める際に大きな後押しとなった。

 レースは1000メートル通過58秒3のハイペース。序盤ゆったりと運んだエージェントは速い流れに巻き込まれることなく、スムーズなコーナリングを披露する。津村が「ここ最近で一番うまく乗れた」と自賛したように、3角から馬群の間を縫ってジワジワと進出。他馬が最後の急坂で伸びあぐねる中、難なく加速した。勝負どころを見極めた鞍上と、エージェントの経験値がバッチリかみ合った。

 7番人気の▲ドラゴンブーストが2着に入り、馬単でも7万円超え。ここまで強敵相手のマイル重賞でもまれてきた経験が2回あり、タフな流れになれば確実に浮上するだろうと見込んでいた。

 まだ続くクラシックへの道。4着に敗れた☆キングノジョーにも引き続き注目したい。前2頭が飛ばす展開を3番手で追走しても崩れることなく、直線で早々と先頭に立ちゴール直前まで粘っていた。負けて強しの好内容。評価を落とすことなく、今後も狙っていきたい。 (面来 陽介)

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