【天皇賞・秋】3冠馬の天敵!トーセンスーリヤ

2021年10月27日 05:30

 秋の天皇賞の距離が2000メートルに短縮された“G1元年”、84年の優勝馬はミスターシービー。前年の3冠馬が見せた直線一気の追い込みによって、それまで日本の競馬には存在しなかった古馬中距離G1のステータスが確立されたわけだが、以後、皮肉にも「3冠馬」にとって秋の天皇賞は縁の薄いタイトルとなっている。翌85年のシンボリルドルフはギャロップダイナの伝説的な大駆けに遭って2着。95年のナリタブライアンはサクラチトセオーの12着と、自己ワーストの大敗を喫した。ディープインパクトとオルフェーヴルはエントリーさえしなかったのだから、鬼門という見方もできるだろう。

 今回のコントレイルには原点回帰のミスターシービー型パフォーマンスを期待しているのだが、父のディープインパクトは現役時同様、種牡馬としても秋の天皇賞制覇に執着心が薄い感じで、2着7回に対して1着は14年スピルバーグのみ。血統面からは、かすかに波乱の可能性も残されている。

 前記ギャロップダイナの父でありサクラチトセオーの母の父でもあるノーザンテーストは、3冠馬の天敵ともいえる秋の天皇賞の穴血脈。代を経ても黒幕的な存在感に変わりはない。トーセンスーリヤは母の父デュランダルの母の父がノーザンテースト。復活を期す3冠馬にとっては最も警戒すべき相手かもしれない。
 (サラブレッド血統センター)

特集

この記者のコラム

他の記者のコラム