【万哲】インにこだわり 鞍上岩田康にも感服
2023年1月26日 10:00 AJC杯の◎ノースブリッジは当日1面に書かせてもらったので、加筆することはほとんどないぐらい。
字数の都合で書き足りなかったこと…といえば、2200メートルの適性だったと思う。これまでのV上限は2000メートル。距離が長い?中山2200メートルは3歳秋のセントライト記念で、現実に10着に大敗している。22日付1面原稿で猛省するなら「VTR映像を見直していただきたい」と読者に強調しておくべきだった。
当時、岩田康の騎乗は完璧だった。好位イン。驚くべきことに、今回のAJC杯とよく似たポジションだった。AJC杯と違うのは当時のセントライト記念は最後の直線の内寄りで“大渋滞”が起こっていた。タイトルホルダー(13着)が前が詰まって追えなかったのは1番人気だったから、覚えている読者も多いはず。対してノースは8番人気。その分、記憶から消えやすい!?内ラチ沿いを狙い、前が空けば確実に3着以上はある勢い。しかし、前が壁で追えずゴール。そう、距離が敗因ではなかった。
今年のAJC杯はサリオスが勝った昨秋の毎日王冠(5着)と比べれば、同じG2でも段違いの手頃な顔触れ。昨年6月のG3エプソムC優勝で胸を張れる存在だった。当たったから何でも言えるけど、父モーリスの成長力は触れておきます。2歳より3歳、3歳より古馬になって力を付けるのは晩成型の血筋。同じ父を持つ現5歳のジェラルディーナがAJC杯と同じ中山2200メートルの昨秋オールカマーで重賞初Vを飾った事実は、ノース本命の“後付け理由”にはしました。ジェラルも2200メートルは長いと言われながら、エリザベス女王杯も勝ち、2500メートルの有馬記念でも3着。心身の成長とともに、未知の分野を克服していくサラブレッドの成長は奥深く、見ていて本当に楽しい。
それにしても、セントライト記念の無念を晴らすべく、再びインにこだわった岩田康に感服。放牧全盛時代にあえて美浦の自厩舎に置いて、手元で育てた奥村武厩舎の手腕も見事でした。おめでとうございます!!
ちなみに、3連単的中は完全なおまけ!?G3は何度勝っても、負担重量にはカウントされない今回の別定戦。G3を勝っていない馬も57キロ(5歳以上牡馬)なら、G3を勝って57キロの馬の方が格上。エヒトに△が回ったのは昨夏のG3七夕賞Vを素直に認めてのこと。あえて大声では言いませんが、4着の☆ラーゴムがユーバーレーベンに先着していれば、もっと大爆発(3連単16万6650円!!)でした。まあ、これは書かないでおきましょう。 (小田 哲也)