【寺下】馬場特性見極め取材力でCBC賞3連単49万9640円!
2023年7月6日 10:00
▼木曜のテーマは競馬。前週に会心ヒットを放った記者が的中へのプロセスを振り返る。今週のヒーローは大阪本社・寺下厚司記者。中京開幕を告げるCBC賞で3連単49万9640円の特大アーチを架けた。馬場の特性を見極めた“逃げ推し”と、足で稼いだ情報で高配ゲットへとつなげた。
夏競馬開幕週は中京に出張。馬場はあいにくの道悪スタートだったが、徐々に回復していった。土曜の芝の特別戦3レースで逃げた馬は1→1→2着と全て連対。この傾向は日曜も続くだろうと予想した。CBC賞は3年連続で逃げ切り決着の重賞。4年ぶりの中京開催でも再現があると期待して、◎ジャスパークローネの逃げ推しで勝負することを決めた。
CBC賞の前まで逃げたレースは【4・1・1・2】の好成績。昨年、中京で行われた橘Sも10頭立ての最低人気ながら2着に粘っていた。舞台は申し分ない。前走の函館スプリントS(16着)は同型がそろって先手を奪えず不完全燃焼。人気馬より軽いハンデ55キロを生かして、自分の形に持ち込めれば粘り込めると思った。
夏は「格より出来」ともいう。ジャスパークローネは坂路の最終追いでラスト1F11秒5の超抜時計をマーク。その前日に坂路でラスト11秒6だったマッドクール(1番人気)を上回り、大本命馬とも遜色ない脚力は重賞レベルと確信した。レースは期待以上の逃げ切り劇。現場で見ていて最高の気分だった。
逃げ推しはすぐに決まったが、格上挑戦で2着だったサンキューユウガに☆を打てたのが最大のポイントだった。西村厩舎は2年前のCBC賞に格上挑戦だったファストフォースを送り込み8番人気でV。週中の栗東トレセンで西村厩舎を訪れると、担当の領田助手が「この馬、ファストフォースと同じ血統(父ロードカナロア、母の父サクラバクシンオー)なんですよ」と教えてくれた。さらにブリンカーも着けるという。「抜け出すとフワフワするところがあるから、馬具の効果がいい方に出てくれたら」。このコメントに一発ムードを感じた。
取材の感触が高配的中につながったのは記者冥利(みょうり)に尽きる。夏競馬の開幕重賞で最高のスタートを切れた。このまま夏を勝ち逃げしたい。