【浜田】実力馬の序列きっちり見極め◎○▲ 毎日王冠ド本線でいただき

2023年10月12日 10:00

 木曜のテーマは競馬。前週に会心ヒットを放った記者が、的中へのプロセスを振り返る。今週は東京本社の浜田公人記者が登場。秋の東京開幕を告げるG2毎日王冠を◎○▲のド本線で的中。3歳馬エルトンバローズの激走を見抜いた理由は?

 毎日王冠といえば、かつては天皇賞・秋を目指す実力馬のガチンコ勝負の場だった。ところが近年はローテーションが多様化。外厩の発達もあり、春からの直行や札幌記念から間隔を空けての臨戦が主流となった。毎日王冠の立ち位置も、どちらかといえばマイルCSや暮れの香港を目指す馬の始動戦に様変わり。98年。サイレンススズカ、エルコンドルパサー、グラスワンダーの3強対決を生観戦した身としては、隔世の感がある。

 強い古馬が集結するため、以前は3歳では歯が立たなかったレースでもある。10年にアリゼオが3歳で優勝した際、オグリキャップ以来22年ぶりの3歳Vと話題になったほど。ところがレースの性格が変わり傾向も変化。19年から21年は3歳馬が3連勝。今や古馬劣勢。今年も重量の軽い3歳エルトンバローズで勝負になると踏んでの◎だった。

 まず目を引いたのが調教の動きだった。特に先月27日の1週前追い。栗東CWコースでラスト2F11秒4→11秒3の加速ラップを刻み、先行2頭を並ぶ間もなくかわして突き放した。坂路の最終追いも抑え切れない手応えで躍動感満点。春よりも明らかに、動きに迫力とスピード感が増していた。

 4月の未勝利戦Vから3連勝でG3ラジオNIKKEI賞を制覇。いずれも好位追走から、しっかり脚を使って抜け出した。前が有利な開幕週の芝にフィットしそうな脚質も◎にした要因。実際、想像通りのレースぶり。最後はG1馬2頭の猛追にヒヤリとしたが、きっちり鼻差で残した西村淳の腕っ節にも助けられた。

 2着ソングラインの評価を対抗に落としたのは初距離で牝馬としては酷量の57キロを背負った点。シュネルマイスターは古馬になって休み明けの成績がひと息なので▲止まり。2頭の実力馬の序列を見極められたのも勝因だった。配当は1万ちょっとの3連単に対し、馬単が4970円と“コスパ抜群”。3連単派も時にはオッズ次第で馬単、馬連に切り替えるのも、馬券攻略の上では重要だと改めて感じた。(浜田 公人)

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