英ダービー馬デザートクラウン早すぎる死を悼む

2023年10月26日 05:30

 昨年の英国ダービー優勝馬デザートクラウンが23日、4歳の若さで天に召された。

 19年3月2日に英国ニューマーケット近郊のストロベリーフィールズスタッドで、母デザートベリーズの5番子として生まれたデザートクラウン。父は、G111勝の名牝エネイブルを送り出したことで一躍名が高まったナサニエルで、兄に香港のG3プレミアC勝ち馬フライングサンダーがいるという血統背景を持つ。タタソールズ10月1歳市場にて馬主サイード・スヘイル氏の代理人に28万ギニー(当時のレートで約4164万円)で購買され、ニューマーケットの名門M・スタウト厩舎に入厩。2歳11月のデビューから無敗の3連勝で英ダービーを制する快挙を達成した。

 今季初戦のG3ブリガディアジェラードSでフクム(牡6)の2着となった後、8月23日のG1インターナショナルSを目指しての調教中に右前脚球節を骨折。ニューマーケット競走馬診療所で16本のボルトが埋め込まれる手術が行われた後、懸命な治療が続けられていたが、ここへ来て症状が悪化。安楽死の処置が取られたものだ。ダービー馬に訪れたあまりにも早い死に、世界の競馬界が悲しみに包まれている。(競馬評論家)

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